安倍内閣のワケワカ

じゃなかったワンダーウーマンとして名高い

稲田朋美防衛大臣

7月28日、辞任しました。

 

例の南スーダンPKO日報問題が

泥沼化したことにたいして、

責任を取った、

もしくは取らされたものと思われます。

 

ちなみに安倍総理、かつて稲田防相を

ジャンヌ・ダルク!!! になぞらえたこともありますが

今回の辞任について

ある自民党中堅はこう語ったとか。

 

ジャンヌ・ダルクは最後、火あぶりの刑になった。

関連記事はこちら。

 

いや、たしかにそうですけどね。

 

べつの報道では、

やはり自民党中堅議員(上記のコメントをした人物と同一かどうかは不明)が

こう語っています。

 

火だるまになった末の辞任。

もっと早く辞めていたら、支持率もここまで下がらなかった。

関連記事はこちら。

 

政府関係者も、こう述べたとのこと。

政権運営の歯車が狂い、負のスパイラルに陥っている。

炎上しているサイトは早く閉めるしかない(。)

 

ついでに自民党ベテランは、安倍内閣の現状について

まさに火だるまだ

と評したそうです。

 

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・・・それはともかく。

今回の辞任については

日報隠蔽をめぐる真相が明らかにならなくなるのでは

と危惧する声があります。

 

しかしポジティブ思考をモットーとする(※)私としては

むしろこの辞任によって

ある重要な点が明らかになったことに注目したいところ。

(※)要出典。

 

すなわち、

わが国の政府は北朝鮮のミサイル問題に真面目に対応する気がないようだ

という点です。

 

報道によれば

稲田防相が総理に辞意を伝えたのは7月27日。

「私、もう辞めます」と言い、

総理も止めなかったとか。

 

おい、ちょっと待て!!

7月27日といえば

1953年、朝鮮戦争をめぐる休戦協定が成立した日。

北朝鮮では「祖国解放戦争勝利記念日」という祝日です。

 

このため同国が

例によって例のごとく

ミサイル発射を行うのではないかという観測がなされていたのは

みなさん、ご存じの通り。

 

防衛大臣は、そんな重大な日に「もう辞めます」と言ったのですぞ。

 

ついでに。

8月3日に内閣改造が予定されている以上、

このタイミングで辞任すれば

しばらく防衛大臣のポストが空白になることは明らか。

目下、岸田外相が兼任していることは

これまたご存じの通りです。

 

にもかかわらず防相は「もう辞めます」と言い、

総理も止めようとしなかった。

この事実は何を意味するでしょう?

 

北がミサイルを撃とうが、われわれの知ったことか。

 

そうとしか解釈できないではありませんか。

 

日報問題が泥沼化したあとも、

総理は防相の更迭を求める声にたいして

いま稲田さんを罷免(ひめん)すれば衝撃が大きい

と言って、かばいつづけてきたと伝えられます。

関連記事はこちら。

 

とはいえ、これはあくまで

自分の政権運営への衝撃

とか

稲田議員のキャリアへの衝撃

であり、

日本の安全保障への衝撃

ではなかったと言わねばなりません。

 

はたせるかな、北朝鮮は7月28日の深夜、

ICBM級とされるミサイルを発射。

ミサイルは45分ほど飛行したあと、

北海道沖の排他的経済水域内に落下したそうです。

 

これについて、総理は以下のようにコメント。

強固な日米同盟のもと、高度な警戒態勢を維持し、国民の安全確保に万全を期す(。)

関連記事はこちら。

 

なるほど、そうですか。

しかし本当に「安全確保に万全を期す」つもりなら

どうしてこのタイミングで防相を辞任させたのでしょう?

いかなる事情があろうと、空白をつくらないよう

8月3日までは辞任を認めないのが筋でしょうに。

 

それはまあ、大臣がいなかろうと

自衛隊はきっちり警戒監視をやっていると思いますよ。

失礼ながら稲田防相、現場の自衛隊員からかなり嫌われていたようなので

みなさん、かえって気合が入っていたかも知れない。

 

だとしても一国の指導者が

防衛大臣のポストなど空白でも構わない!

と、露骨に認めるようなことをしてよいのでしょうか?

 

聞くだけヤボですね、これは。

 

自民党の元防衛副大臣は

稲田氏も安倍晋三首相も判断が遅すぎた。

2人とも自分や身内を守ることばかり考え、防衛省と自衛隊が深く傷ついた(。)

とコメントしたそうですが、

今回の辞任においてこの二人が

自分や身内を守ろうとしたあげく、

国民の安全を不必要な危険にさらしかねない真似をしたことは、

よく覚えておいたほうがよいと思います。

 

だ・か・ら、

『右の売国、左の亡国』と言うのですよ!

 

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とはいえ世の中は

まことに広大無辺でありまして、

支持率が急落して火だるまになっている時だからこそ

安倍総理は憲法改正と国防安全保障に正面から取り組むべきだ

という、

憂国お花畑丸出しとしか形容しえない主張をなさる方もおいでです。

関連動画はこちら。

 

何がお花畑かって?

この方はさる6月、某討論番組において

日本国民は健全なナショナリズムの定着を望んでいない

とハッキリ認めたのですぞ。

 

そんな状況下で、

ただでさえ火だるま状態と言われる政権が

憲法改正と国防安全保障に正面から取り組もうなどとしたら、

一体、どういうことになるか。

 

まことに遺憾ではありますが、

この主張からは以下の結論しか導き出しえないのであります。

1)当該の人物の思考には、脈絡、整合性、一貫性といったものが系統的に欠落している(※)。

2)当該の人物は、安倍内閣を退陣に追い込みたくて仕方ない。

 

(※)ちなみに最近、自然災害が多発しているのも

国土強靱化を進めるための「天の配剤」と受け取るべきなのだそうです。

いちおう、「亡くなった方にはまことに申し訳ないが」と断ってはいるものの

現内閣擁護のためなら死人もダシにする態度と批判されても仕方ないでしょう。

 

ついでに国防安全保障の問題にたいし、

現内閣が真剣に取り組む意思を持っているかどうかは

すでに明らかではないでしょうか?

 

(↓)エドマンド・バークも、革命派は自分の利益にしか関心がないと書いています。

フランス革命の省察

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だとしても倒閣運動への警戒を呼びかける形で倒閣運動を行うとは

反安倍勢力もじつに巧妙。

 

もっともこの勢力、

パラドックスに非常に弱いという特徴が見られますので

そのうち

草莽緊急行動「安倍内閣の支援に見せかけた草莽による倒閣運動を許すな!」

なんてものを始めるかも知れませんよ\(^O^)/

 

ではでは♬(^_^)♬