6月から急落していた内閣支持率ですが

8月3日の内閣改造を受け、

とりあえず多少持ち直した模様です。

 

具体的には

毎日新聞(8月3日・4日実施)・・・35%(+9%)

記事はこちら。

共同通信(実施日不明、8月4日配信)・・・44.4%(+8.6%)

記事はこちら。

日本テレビ+読売新聞(8月3・4日実施)・・・42%

記事はこちら。

 

ちなみに読売新聞が7月に行った調査

(ただし今回のものと同じ条件かは不明)では

支持率は36%だったので、

単純に比較すれば+6%となります。

 

さすが安倍さん、危機を乗り切った!

・・・なんて声が保守派界隈から聞こえてきそうですが、

ちょっと待て!!

 

支持率が急落したときには

同じ保守派界隈から

こんな声が聞こえてきたはずです。

 

1)支持率急落は倒閣をもくろむマスコミの捏造である。

2)支持率急落をあげつらうのは倒閣をめざす「反日勢力」なので、

それを真に受けるのは連中のプロパガンダに引っかかったバカである。

3)支持率急落は確かに起きているが、現在の日本には

そんなことよりもっと重要な問題が多々あるはずだ。

 

してみると

今回の支持率回復についても、

保守派は以下のような認識で接しなければならない。

 

1)倒閣をめざしていたはずのマスコミが、いきなり態度を変えるはずがない。

ゆえに支持率回復という調査結果も、捏造である恐れが強い。

おおかた「危機を乗り切った」という安心感を政権に与えることで、

さらなる失策を誘発するのが狙いであろう。

 

2)同様、反日勢力がいきなり親日に鞍替えするはずもない。

ゆえに支持率回復を真に受けるのは、連中のプロパガンダに引っかかったバカである。

 

3)支持率回復が確かに起きたとしても、現在の日本には

そんなことよりももっと重要な問題が多々あるはずだ。

 

・・・つまりは

「支持率回復など信じるヤツはバカだ! 

あんなものは捏造で、国民は今でも安倍さんを支持していない!!

マスコミと反日勢力による〈ほめ殺し倒閣〉を許すな!!!」

と叫んでこそ、真に首尾一貫した姿勢と評しうるのです。

 

W(^_^)W\(^O^)/さあ、そこまでの一貫性を持てるかな?\(^O^)/W(^_^)W

 

これができなければ

自分に都合の良い情報は鵜呑みにするが、都合の悪い情報はデマ扱いするという

憂国お花畑状態と言われても仕方ないのですぞ。

 

そしてそのような状態に安住したら最後、

いずれ保守派は自爆的炎上によって崩壊するでありましょう。

 

唐十郎の古い唄をもじれば

保守派見たけりゃ 今見ておきゃれ

いずれ憂国、燃え落ちる

というヤツであります。

 

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・・・それはそうと。

7月30日の記事

「政府は北朝鮮のミサイル問題に真面目に対応する気がないようだ」に関連して

DANIEL さんより、「前衛」の意味について質問がありました。

 

wikiで調べてみましても、ヴァンガード、アバンギャルド、とかありましたが

トートロジーで結局分りませんでした。

とのこと。

 

「前衛」とは読んで字のごとく、

前を衛る、

つまり前方の護衛に当たる者という意味です。

 

行軍の際、本隊の前方にあって進路上の障害を排除し、

また、捜索をして本隊戦闘の初動を有利にするなどの

任務を帯びる部隊

というのが「広辞苑」の定義。

 

「前衛」にあたる英語「ヴァンガード」(vanguard)

まったく同じ意味です。

vanは、フランス語の avant (=前)から来ていますからね。

ヴァンをガードするから「ヴァンガード」。

 

見当がつくでしょうが、

「アヴァンギャルド」(avantgarde)はこの言葉のフランス語版です。

おそらく「前衛」は、これらを日本語に訳したものでしょう。

 

しかるに左翼思想の中核をなす進歩主義の考え方では

人間社会はそれ自体が

より良い状態をめざして進みつづけているようにイメージされます。

 

となれば、人間社会の行軍にあたっても

本隊の前方にあって進路上の障害を排除し、

また、捜索をして本隊戦闘の初動を有利にするなどの

任務を帯びる部隊

に該当する存在があるはずではないか。

 

というわけで、

社会変革を率先して担うか、

そのような妄想に取り憑かれた人々についても、

「前衛」と呼ぶようになりました。

 

したがって「前衛」は、本来なら左翼の専売特許。

現に日本共産党

『前衛』という機関誌を出しています。

 

「保守前衛」というのは

「左翼反動」に匹敵するくらいのオクシモロン(形容矛盾)のはずなのです。

 

ところが最近は

保守を自認する側にも

自分たちが社会変革を率先して担うのだという

妄想に取り憑かれているとしか思えない人々が続出!!

なにせ対立相手を「反動」呼ばわりするくらいですからね。

 

だ・か・ら、

『右の売国、左の亡国』と言うのですよ!

 

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(↓)歴史上初めて起きた、前衛の大暴走の詳細についてはこちらを。

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右と左の区別がつかなくなった者は

前と後ろの区別もつかなくなるというのが

本日の結論でした。

ではでは♬(^_^)♬