3月19日の記事
「ILC/TOHOKU、または国際リニアコライダーとSF」について
GUY FAWKES さんより寄せられたコメントに
戦後日本三大原則として
以下が記されていました。
1:日本は世界(米国)に武力を行使、ないしは示威してはならない。
しかし、脅威が迫った場合、世界(米国)に損壊を与えてはならない。
2:日本は世界(米国)に与えられた命令に服従しなければならない。
そして、与えられた命令が第一条に反する可能性がある場合でも、
世界(米国)を脅かさない範囲ではこの限りである。
3:日本は前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、
自己を防衛する義務がある。
(明らかな誤記を修正)
むろん元ネタは
SF界の巨匠アイザック・アシモフが考案した
ロボット三原則。
列記すればこうなります。
1)ロボットは人間に危害を加えてはならない。
また人間に危害が及びそうなときは
傍観せずに人間を守らねばならない。
2)ロボットは人間の命令に従わなければならない。
ただし、命令に従うことによって
他の人間に危害が及びうる場合は例外とする。
3)ロボットは、以上二つの原則に反しないかぎり
みずからの身を守らねばならない。
・・・GUY FAWKESさんの三原則、
良いところを突いてはいるのですが
アメリカと世界を一緒にしてしまっているため
失礼ながら、いささかこんがらがっている。
もっとスッキリさせる方法があります。
つまり、戦後ニッポンの三原則について
タテマエ版とホンネ版を分けて考えること。
するとこうなります。
\(^O^)/戦後ニッポン三原則(タテマエ版)\(^O^)/
1)日本は平和を愛する諸国民に危害を加えてはならない。
また本来は、平和を愛する諸国民に危害が及びそうな場合、
傍観せずにそれら諸国民を守らねばならないのだが
そんな不届きなことをする国が日本以外にあるわけはないので
これについては気にしなくてよい。
2)日本は平和を愛する諸国民の命令に従わなければならない。
命令に従うことによって、平和を愛する諸国民に危害が及びうる場合は例外とするが
例によって、そんな不届きな命令を下す国民がいるはずはないので
これについても気にしなくてよい。
3)日本は、以上二つの原則に反しないかぎり、みずからの身を守らねばならない。
ただし戦争を放棄し、軍事力も持たず、交戦権も否認しているので
実際には守ることなどできないのだが
そこはそれ、気にしなくてよい。
他方・・・
\(^O^)/戦後ニッポン三原則(ホンネ版)\(^O^)/
1)日本はアメリカの国益や世界戦略に危害を加えてはならない。
またアメリカの国益や世界戦略に危害が及びそうな場合は、
構造改革を積極的に行ったり、
アメリカのタイコモチに徹することで、それを守らねばならない。
憲法改正などの手段によって、安全保障面でも守れるようになるとさらによい。
2)日本はアメリカの命令に従わなければならない。
命令に従うことによって、他国民に危害が及びうる場合は
とりあえず例外ということにしておくが
これを真に受けるようなバカを指導者に選んではならない。
3)日本は、以上二つの原則に反しないかぎり、みずからの身を守らねばならない。
ただしそのような自衛は、あくまでアメリカに依存する形で行うこと。
W(^_^)W\(^O^)/いやあ、真理だねえ!\(^O^)/W(^_^)W
お分かりとは思いますが
タテマエ版の三原則は左翼・リベラルの行動原理であり
ホンネ版の三原則は保守の行動原理です。
これは何を意味するのか?
そうです。
戦後日本では、右も左もじつはロボットなのです!!
だ・か・ら、
『右の売国、左の亡国』というのですよ。
この話、面白いので続きをやるかも知れません。
ではでは♬(^_^)♬
3 comments
GUY FAWKES says:
3月 23, 2017
この度も取り上げていただき誠にありがとうございます。
言い訳じみた弁明をお許し願いたいのですが、日本が目指した世界政府を敗戦後にアメリカが代行してくれると
すり替えたレトリックを踏まえて、「ワケワカ」な感じに当てはめたのですが
改めて読むとあまりに捻りがなさすぎてタテマエもホンネもごっちゃになっておりました、自分の不勉強さを省みるばかりです。
>2)日本はアメリカの命令に従わなければならない。命令に従うことによって、他国民に危害が及びうる場合は
とりあえず例外ということにしておくがこれを真に受けるようなバカを指導者に選んではならない。
…どうやら、ホンネの方も第2条から崩れ始めていると認識すべきかもしれません(苦笑)
>戦後日本では、右も左もじつはロボットなのです!!
/(^O^)\ナンテコッタイ、やっぱり戦後史はスカイネットが支配していたのですね!(起動させたのは日本人自身)/(^O^)\
続きを心待ちにしております。
半ライス大盛 says:
3月 23, 2017
これって、アシモフのロボット3原則でしたか。。。
タテマエ三原則の最後が”気にしなくても良い”で終わるのが秀逸です!
タテマエ三原則もホンネ三原則も原則と称しながら、原則を否定していて面白いです!
また、関係ないのですが、ロボット三原則をモチーフに創作された日本の傑作SFに『鉄腕アトム』と言う
作品があります。
アシモフ同様、3原則の矛盾がストーリーのプロットなのですが、アニメ版で演出を任された
出崎純さん(アニメーターは”さん”付で称するのが正しいようです。)は、3原則に悩む
アトムを演出しようとし、手塚治虫先生(漫画家は先生と称する・・(ry)から、君のアトムは
暗いね!もっと明るくしなくちゃ!エンターテイメントを忘れずに!と窘められたそうです。
しかし、ロボット3原則を踏襲している映画としては、アイ・ロボットぐらいのもので
ターミネーターやマトリックスに至ってはロボット3原則なんてまるで無視ですね!
原則とか言いながら鼻から原則守る気ないじゃんと思ったり、思わなかったり。。
玉田泰 says:
4月 11, 2017
成る程、タテマエはタテマエである故に気にしなくてもよく、ホンネではアメリカに必死に媚をうるんですね。見も蓋もないですが、それが現状なのでしょう。
朝鮮半島がこれだけキナ臭くなっても、どこか他人事のようで、アメリカ頼りなのもその典型なのかも?
でも三原則では、自らを守る筈、今の日本は自衛すらも上の空。ロボットにも及ばないのでは?’