きも【肝・胆】

(1)肝臓。(2)内臓の総称。(3)精神。気力。胆力。(4)工夫。思案。

(広辞苑より)

 

自分たちの政策に反対する学者をわざわざ国会に呼んだあと、

その政策に賛成する学者が

みずから国会での発言に前向きの姿勢を示したにもかかわらず

国会から閉めだすなど、

あいかわらず楽しい墓穴リレーが展開されている

安保法制ではありますが。

 

ここに来て、秀逸なのが出ました!

まずはこちらを。

 

<安保関連法案>法制局長官「例えばフグ…肝外せばOK」

 

安全保障関連法案を審議する19日の衆院平和安全法制特別委員会で、

横畠裕介内閣法制局長官が集団的自衛権の行使容認を食材のフグに例え、

限定容認による「合憲性」をアピールする場面があった。

「フグには毒があるので全部食べればあたるが、肝を外せば食べられる」と述べた。

 

民主党の寺田学氏は集団的自衛権の限定容認について

「腐ったみそ汁の中から1杯だけ限定して取ったところで、腐ったものは腐っている」と指摘。

限定容認でも集団的自衛権の行使容認は憲法違反に当たると指摘した。

これに対し、横畠氏は「理屈で言っても分かりにくいので例え話で」と前置きし、

毒を持つフグの肝を憲法上認められない武力行使に例えて説明。

今回の法案は「肝」が除かれ安全だという意味が込められており、与野党から笑いが起きた。

 

こちらの記事では、横畠発言がより詳細に紹介されています。

 

フグに例え「肝を外せば食べられる」集団的自衛権

 

横畠内閣法制局長官:「(集団的自衛権が)仮に毒キノコだとすれば

煮ても焼いても食えないし、一部分かじってもあたります。

(集団的自衛権が)フグだとすれば毒があるから、全部食べたらあたりますけれども、

肝を外せば食べられる」

 

・・・これはウケますわな。

 

冒頭に掲げた定義にしたがえば横畠長官、

現在の安保法制が

精神、気力、胆力を欠いており

ついでに工夫や思案もない

と認めたわけですから。

 

しかしこうなると、新たな疑問が湧いてくる。

 

食べられる(=中毒死しない)ことは

食べなければいけないこと、

ないし食べたほうがいいこととイコールではない。

 

そこまでキモのない代物を

なんで食べなければいけないんですかね?

 

キモ(工夫、思案)をこらして

キモの欠如を正当化しようとしたものの

根本的なキモのなさは

いくらキモを駆使しても隠せないという

なかなかにキモい話でありました。

 

ちなみにエドマンド・バークは

「フランス革命の省察」で、こんな趣旨のことを述べています。

 

戦争の開始、および終結を決定する権限のありかは

ハッキリさせておくべし。

でないと諸外国は

議会のメンバーと個人的なパイプをつくることで

フランスの内政に干渉してくる。

国家の主権が形骸化しても知らんぞ!

 

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電子版もご用意しています。

 

安全保障についてキモのない国は

要するにキモのない国なのです。

 

ではでは♬(^_^)♬