昨日の記事「主治医の師匠は宮沢賢治」で触れた

「我」を捨てる話と

ちょっと関連しているのですが。

 

ここ数年、太極拳をやっています。

 

太極拳には、とにかくさまざまな流派があるのですが、

私がやっているのは正宗太極拳と呼ばれるもの。

 

しかるにその先生が勧めるのは、

拳法の型を覚えることより、

「腕振り」と呼ばれる4種類の動き

(腕を使った素振りみたいなものです)と、

気功をとにかくやること。

 

つまりは単純な反復練習が大事という話ですが、

反復の回数がハンパないのです。

 

いわく、

腕振りはね、100万回ぐらいやると強くなってくるよ。

 

100万回ですぞ、100万回!!

私はそれぞれの動きについて、

毎日70回(つまり左右35回ずつ)、計280回やることにしていますが、

これでも一年で10万回ちょっと。

 

要するに10年間、毎日やらなければならないのです。

本当に分かってくるには、さらに10年ぐらいかかって、

30年を過ぎたあたりから、ようやく名人になってくるとか。

 

気功についても、同じ事が言えるとのこと。

 

ならばそれだけの期間、努力を続けるためのコツは?

忍耐とか、根性とかじゃないんですね。

じつは、何も考えずにただやること。

 

先生いわく、

日本人は真面目だから、型は最初から正確な人が多い。

ところが真面目なだけに「自分は上達しているだろうか」「いつになったら強くなるのか」などと、

ついつい考えがち。

すると、じれったくなって途中で投げ出すことになりやすい。

 

ああだこうだと考えていたら、30年はもちろん、10年だって続かないよ。

余計なことは一切考えず、とにかく繰り返す方が、結局は強くなる。

 

先生自身、日本人なのですが

聞くところによると、

中国人の場合、型は(少なくとも最初のうち)しばしば相当にいい加減。

ただし、とにかく気長に続けるのだそうです。

 

何も考えないことは、

時として、あれこれ考えるより大事。

 

理性の力を過信しないのが保守主義の本質だとすれば、

これも立派な保守の教えかも知れません。

 

・・・って、すでに考えすぎか?

ではでは♬(^_^)♬