ご存じかと思いますが
「右翼」「左翼」はフランス革命から生まれた言葉です。
1789年、革命勃発直前に開かれた三部会では
議長席の右に貴族と聖職者を代表する議員が、
左に平民を代表する議員が座りました。
貴族代表議員と聖職者代表議員の数は
ともに平民代表議員の半分でしたから
このような配分になったものと思われます。
革命後の国民議会でも
議長席の右に穏健派が、
左に急進派が座ることに。
というわけで
「右」と「左」はもともと
文字通りの意味で使われていたわけですが
「左翼」については
いかなる世界観を抱いているかという点から
その内実を定義することも可能です。
すなわち・・・
1)人間は理性的能力によって世界を制御できると信じる。
2)時代の経過とともに、理性的能力は向上すると信じる。
3)よって時代の経過とともに、人間の世界は進歩する(=より良くなる)と信じる。
4)よって進歩の速度は、速ければ速いほどいいと信じる。
これぞ左翼的世界観の四条件。
しかるに、このような世界観を抱く者は
自分に対立する立場の者をどう規定するか。
人間の世界の進歩という
誰がどう見ても絶対に正しく望ましいことを
邪魔したがるけしからんヤツ。
これです。
進歩とは「良い方向への動き」ですから
それを邪魔するからには
世界を反対の方向に動かしたがっていることになる。
ゆえに、そのような「けしからんヤツ」は
〈反動(勢力、分子)〉と規定されます。
英語なら reactionary.
世界の進歩という正しい action にたいする反作用だから
頭に re がつくわけです。
したがって「左翼」とは
対立する立場の者を「反動」と規定したがる者
と定義することもできる。
論より証拠、
わが国の左翼は1970年代ぐらいまで
保守派のことを「保守反動」と呼んでおりました。
詳細こちら。
と・こ・ろ・が。
こちらをどうぞ。
【直言極言】毎日新聞からの回答~戦後レジームの反動の嵐に抗して[桜H29/6/23]
ヾ(℃゜)々\(◎o◎)/戦後レジームの「反動」の嵐!!!\(◎o◎)/(゜ロ)ギョェ
ヾ(℃゜)々\(◎o◎)/戦後レジームの「反動」の嵐!!!\(◎o◎)/(゜;)エエッ
ヾ(℃゜)々\(◎o◎)/戦後レジームの「反動」の嵐!!!\(◎o◎)/(゜◇゜)ガーン
内容的には
毎日新聞の皇室関連報道について公開質問状を送ったところ
木で鼻をくくったような回答が来た
という話なのですが、
水島社長、同紙をハッキリ「反動」とおっしゃっている。
番組紹介文もこうなっていました。
チャンネル桜の公開質問状に対して
毎日新聞から送付されてきた返答内容の問題点について、
それが敗戦利得者達の反動であることを指摘しておきます。
すでに書いたとおり
「反動」という概念は
本質的に「保守」ないし「右翼」としか結びつきません。
「左翼反動」(!!)というものは存在しないのです。
となると水島社長は
毎日新聞は保守、ないし右寄りだと位置づけていることになる。
ならば、
その毎日新聞を「反日」と見なして批判する彼自身、
および日本文化チャンネル桜は
保守と左翼、どちらになるでしょう?
・・・聞くだけヤボですね、これは。
だ・か・ら、
『右の売国、左の亡国』と言うのですよ!
しかも毎日新聞は
当該記事を掲載した趣旨について
「国民とともに新しい象徴天皇のあり方を考える」ためと回答している。
水島社長、これにも文句をつけているわけですが
どこの世界に
皇室のあり方を「新しく」しようとする反動勢力がいるのか???
そして社長、最後にはこうおっしゃるのですぞ。
こういった皇室報道に象徴される反動、
戦後レジーム側の反動、
旧体制(!!)の反動が今、吹き荒れはじめ
皇室解体へ向かって、こういった策動が推進されている。
この文脈で「旧体制」といったら
ふつう連想されるのは「アンシャン・レジーム」でしょう。
フランス革命に際し、王政につけられた形容です。
アンシャン・レジームの反動の嵐に立ち向かって変革をめざす!!
これはどう見ても左翼革命派の論理です。
それを保守派を自認する人物が展開する。
自爆的炎上としか言いようがありません。
ここで明記しておきますが
私は水島社長のことが人間的には好きです。
いい人だと思っています。
しかし、この発言から判断するかぎり
保守(主義)とは何なのか、まったく理解できていない!!
あまり細かい点にこだわらなくとも・・・
とお思いになる方もいるかも知れませんが
これはそうそう生やさしい話ではありません。
自民党と言うべきところで「民進党」と言ってしまい
民進党と言わねばならないところで「自民党」と言ってしまう
それくらいのレベルの間違いなのです。
じゃあ、どうするの?
・・・どうするもこうするもないでしょうに。
都議選いらい、安倍内閣もガタつきが目立ってきているようですが
対立相手を「反動」と呼んでしまう保守派など
日本の変革に成功するずっと以前に
おのれの矛盾によって燃え落ちるでありましょう。
ではでは♬(^_^)♬
7 comments
GUY FAWKES says:
7月 9, 2017
>こういった皇室報道に象徴される反動、戦後レジーム側の反動、旧体制(!!)の反動が今、吹き荒れはじめ
皇室解体へ向かって、こういった策動が推進されている。
>対立相手を「反動」と呼んでしまう保守派など日本の変革に成功するずっと以前に
おのれの矛盾によって燃え落ちるでありましょう。
戦後レジームを擁護する存在の反動とは、そこに保守性が実存していることの証左に他ならない。
自らが「保守主義者」ではないとはっきりとお認めになったと受け取られても致し方ないのです!
最早、ここまでに至った中で私から申し上げられる無作法な言葉は唯一つ、「皇居は燃えているか?(BGM:加古隆)」
斯くして、世界は火の海に包まれる。旧約聖書により天から出ずる硫黄と焔によって焼き尽くされたソドムとゴモラの如く。
Daniel says:
7月 9, 2017
「燃え落ちる」ですか、なるほど、ありがとうございます。
そういえば、「逆コース」なんてのも、「反動」と同じ用語ですね。私が中学生の時にその言葉を習ったと記憶していますが、当時その言葉に強烈な違和感を感じたのを覚えています。私は当時から逆張りであったようで、日本に軍隊がないことは、とても恥しいことだと考えていましたから。
ただ私が思いますに、これはずっと疑問だったのですが、水島社長は、頭ワケワカで左翼に「反動」などと呼ばわる前に、毎日新聞の報道に怒る前に、それを受けた「女性宮家」を明記した附帯決議に怒る前に、当の法案に、「退位」などという国史に全くない言葉が堂々と使われたことに、もっと早い段階から怒るべきではなかったのかと。
だって、毎日新聞のような「言論テロ」が起きることなんて、ある意味、想定の範疇じゃないですか。そりゃ野盗はいつだって何かやりますよ。問題はだからむしろ、いつだって現政権にあると考える方が自然です。
戦前なんかもっと酷く、皇室の枢要な方を襲った爆弾テロなどが実際に何度も起っているわけです。それで内閣が倒れたことだってある。警察権が今よりずっと強い時代にですよ。これは表には出ませんが、未然に防いだケースだって随分あったのではないでしょうか。戦前は天皇崇敬が隅々まで行き渡っていたなんて考えるのは、史実を見れば、フィクションだと分るはずです。
そういうことが見抜けないから、もっと大事なことを見過したのではないか。神は細部に宿ります。先生の仰る、社長が「保守(主義)とは何なのか、まったく理解できていない」ということと、それは無関係でないと思えてなりません。
尚、私も水島社長のことは好もしく思います。しかし、色んな意味でお疲れではないか。チャンネル桜のメインキャスター、プロデューサーは暫くお休みされて、その間それは関岡英之さんに任されて、のんびり研究や勉強の時間に充てられてはどうかなぁと思います。
※女性宮家阻止派の戦術も拙劣だったのではないかと疑っています。「女性宮家」は、皇室に道鏡を招く制度だ、と寸鉄の言を述べ続ければ良かったのに、と思います。ク〇を投げてくるような相手の土俵で、相撲を取ってはなりません。
poti says:
7月 9, 2017
炎よ更に燎原へと向かえ。火は罪を払い清めると耶蘇教が言ったらしい。
汚らしいものが満ち満ちて片付けるものもないならば、全て残らず焼け落ちよ。
全部残らず灰に成っちまえば草だってまた生えるだろう。
フルート says:
7月 9, 2017
サンデーモーニングの長寿コーナーに『風をよむ』があります。今週のテーマは『議会制民主主義の劣化』でした。サンデーモーニングのスタッフは政界のご意見番(役?)の政治家にもインタビューしていて、この議員から『政治の劣化』についての話しを聞いたりしました。番組ではそのインタビューの様子も一部放送されました。『風をよむ』ではいつも必ず町へインタビューに出かけるのですが、今週の町の人の声の中には「劣化はしてると思います。」もありました。町に出かけてのインタビュー映像の放送は、スタジオでの出演者間の話し合いの前や間に差し挟まれます。スタッフは町にインタビューに出かけ→「劣化」の声を見つけて、スタジオの出演者はその声の発見と自分たちの正しさの再発見・再確認をした形でもあると思うのですが、でもサンデーモーニングが見ている「風」が、もしも“いつもサンデーモーニングがよみたがっている風”だったら、今週のテーマを何にするかの事前の打ち合わせの段階から、そのテーマに最適なインタビュー先のご意見番を誰にするかの選択作業は既になされていて、そのご意見番へのインタビュー中に出てきたワードだったり考え方を町に持って行って、町の人に例えば{今、政治の劣化が問題になっていますが、どうお考えですか?}と聞いて回って、「劣化はしてると思います。」の声を見つけてきた→という展開だったり側面も考えられるかも知れません。
そもそももし、権力(側?)から(や、たまにネットからも)吹いて来ているとされているその風の存在の確証作業がなかったら、毎週毎週その風をよむ事ができたり、読めるという発想が成り立つ事もなさそうに思います。反権力と絶対平和主義のサイクル(スパイラルかも知れません・・)や、炎上のサイクルなど、様々なサイクルがあると思うのですが、多くのサイクルのどの時点でもいつも常に先立って行われているのは、正しかったり最適な自身(や自分たち)の存在の確証作業なんじゃないかなと思います。
『「炎上」日本のメカニズム』の中で藤井先生が紹介されたピザ生地の炎上の例で考えてみても、たぶんとてもシンプルな感想や意見(「きったねぇぇぇぇぇぇ」や「気持ち悪くて食べれません」)だったり、「これを食った客がいるわけだ つぶせ」の様な1つの前提(「食った客」)の存在を必要とする仮説を伴った主張の方が、「論点ずらして火消し必死だなwwww廃棄するものかどうかなんてまったく関係ないんだよ。こういうアホが働いてるだけで悪いイメージついて売り上げ落ちるんだよwwww」の様な複数の前提条件から出来上がった仮説(書き込み手側と店側の論点にはずれがあり、ずらしている側である店側の論点に書き込み手側からした聞くべき所はまったくなく、悪いイメージがついて売り上げが落ちる)を伴ったり、複数の視点(あざける視点→切実ぶって諭す視点→結局あざける視点)間を移動する主張とかよりも先に出やすい所にも、【シンプルに最も多くの人が共感してくれそうなもの・燃え易そうなもの・或いは書き込み主からしたらもう燃えている様にも思える(思えてくる)もの】を探す作業とその作業を行う事の正しさや最適さの確証作業が、→【シンプルさはないけど別な観点から共感してくれる人がいそうに思えるもの・今まではまだ燃えてなかったり弱い炎だったけどこれからはもっと燃やして行くにあたいすると思える(思えてくる)もの】を探す作業とその作業を行う事の正しさや最適さの確証作業に推移して行っていたり、それに近い側面があった可能性を感じます。
ある風だったり炎が人々から見られている時、その様に見られる原因だったり責任が、見られ手側にしか存在しないという事はあり得ないと思いますし、私は寧ろ見手の側がその様に見過ぎたから、風が見えたり燃えたりするという力動の方が多く存在している様に思いました。
福岡ワマツ says:
7月 11, 2017
自称「保守」は左翼だった・・・。
なるほど。
(明治の革命以来の)我が国には基本的に左翼チックな印象を抱いていましたが、水島さんの言葉からその根が深いことを感じさせられます。
とはいえ、図らずも、立派な愛国左翼の存在が我が国に確認されたことをお慶び申し上げます(^^)
「左翼=反日」とのレッテルが貼られ易いように思いますが、左翼には反日分子ばかりではなく、愛国分子もいるということですね。
慶事だと思います(^^)
SATOKENJI says:
7月 11, 2017
毎日新聞のことでしょうか、それともチャンネル桜?>左翼には反日分子ばかりではなく、愛国分子もいる
福岡ワマツ says:
7月 11, 2017
「左翼愛国分子とは、毎日新聞か、チャンネル桜か?」との問いですが、問われて一旦ワンクッションおいて考えてみると、甲乙つけ難いものがありますね。
先のコメントでは水島さんを指して「愛国分子」としました。それは彼が「愛国の士」だからです。
しかし、「反日」を「日本をダメにすること」とすると、「愛国の士を気取ってはいても、その言動の結果が反日的になる」ことはあり得る気がいたします。
「愛国」や「反日」とは詰まるところ自他による解釈に過ぎませんから、彼我の立場をどう解釈しようと、認識と言動を誤った結果は反日的なものになり得ると想像いたします。
そのように考えますと、先の大戦も「愛国の士」によって遂行され敗戦という破局に至り、敗戦後体制の運営も「愛国の士」によってなされ今に至っている、という解釈もあり得るのではないでしょうか。
(そうすると毎日新聞も愛国分子なのかもしれない…)
「愛国の士」による言動が反日的結果を招来しないことを祈ります。