KADOKAWAのメルマガ「踊る天下国家」の4号目を書いていたら
昨日はブログを書く時間がなくなり、
お休みさせていただきました。
4号目は今週水曜、11月12日に配信されますが、
テーマはアメリカ中間選挙。
このところ、
「動かない」
「決められない」
と評判の悪いアメリカ政治ですが、
選挙で共和党が勝利を収め、上下両院で多数を制しても
状況は変わりそうにありません。
というか、オバマは民主党の大統領ですから
これはつまり、議会とホワイトハウスの対立がさらに深まる恐れが強い。
日本にどんな影響が及ぶかは
まだハッキリしませんが
冷戦に勝利した世界の覇者としてのアメリカは
ますます過去のものとなりそうです。
記事ではこの点を
「フロンティア」という概念をキーワードに考えました。
移民が開拓によってつくりあげたアメリカにおいて、
フロンティアは国のあり方の本質に関わる概念。
アメリカの歴史とは、
いわゆる西部開拓が終わったあとも、
さまざまな形で「フロンティア開拓」をめざした歴史と見ることができます。
1960年代後半、テレビドラマとして誕生していらい
半世紀にわたって高い人気を誇ってきたSFシリーズ
「スター・トレック」が、
宇宙、それは人類に残された最後のフロンティアだ
というナレーションで始まったのは、
決して偶然ではありません。
「スター・トレック」の生みの親であるジーン・ロッデンベリーさんなど、
ずばり、こう言ったと伝えられます。
要するに、宇宙を行く幌馬車隊の話だよ。内容的には洗練されたものにしたいがね。
しかるにオバマにたいする
現在の不評ぶりはもとより、
アメリカ政治が「動かない」「決められない」状態に陥っているのも
フロンティアへのこだわりと関連があるのではないか?
というのが、私の考えです。
ちなみにアメリカ建国のマニフェストとも言うべき
トマス・ペインの「コモン・センス」も、
同国そのものを、一種のフロンティアと見なしています。
アメリカ、それは文明の新しいあり方なのだ。
と、こう来るくらいですからね(『コモン・センス完全版』、281ページ)。
そして戦後日本のあり方に
アメリカが(良くも悪くも)及ぼした影響の大きさを思えば、
かの国について知ることは、戦後日本の本質を知ることにも通じると言えるでしょう。
というわけで、
今日は音声収録を行います。
ではでは♬(^_^)♬
4 comments
マゼラン星人二代目 says:
11月 10, 2014
>アメリカ政治が「動かない」「決められない」状態に陥っているのも
>フロンティアへのこだわりと関連があるのではないか?
真に前衛的なフロンティアは、ひとえにフロンティアへの断念を通じてのみ見いだされ得る、という逆説が受けいれられなければ、こうもなろう。
アメリカでも、ここ、日本においても。
マゼラン星人二代目 says:
11月 10, 2014
いつぞやの「二番じゃいけないんですか」という問題提起は、やはり馬鹿にならない。
せい says:
11月 12, 2014
アメリカ人はこれから何十年もデフレの停滞を耐えられるのか、ティーパーティーのようなさらに過激な新自由主義に向かいデフレを悪化させるのではないか、そしてトクヴィルが言うようにやがて反動がおこり、アメリカで市場原理を破壊する政党が誕生し、ユダヤ狩りを、、、と妄想が過ぎました。
ソウルメイト says:
11月 28, 2014
アメリカ人の閉塞感とは、つまるところ、1パーセントの経済支配者に国家経営の根幹ー司法、行政、立法のことごとくを牛耳られてしまい、経世済民が存在しないことではないでしょうか。チェンジを唱えたオバマは、結局、1パーセントの支配者たちにからめ取られて、本来なすべきこと、なしたいと志したことができない、というていたらくをつぶさに観察してアメリカ人は絶望的になっているのではないか?そんなふうにも思えてきます。堤未果さんの「貧困大国アメリカ」3部作や「沈みゆく大国アメリカ」に記述されたリポートを読むと、アメリカは、あらゆる希望が死んだ国といってもいいかもしれません。これが他人事でないのは、強欲な大富豪が次にターゲットとするのがほかならぬ日本であるからなんでしょうね。