昨日(11/9)は「FRONT JAPAN 桜」

おなじみ佐波優子さんとやってきました。

 

まず冒頭では

『平和主義は貧困への道』プロモーション動画を全編紹介。

 

「見たら、もう読むしかないわよね」(※)お姉さまの発言です。

COVER+OBI

思わずうなずいたあなたはこちらをクリック!

 豪華絢爛たるプロモーション動画を、単体でご覧になるにはこちら!

番組全体をご覧になりたい方はこちら!

 

私が消費増税を、

佐波さんが奨学金返済をめぐる問題を、

それぞれ取り上げたのですが

驚いたのは

前者はむろん後者にまで

財政法第四条、

さらには大平正芳さんがからんでいたこと。

 

奨学金の元締めである日本学生支援機構は

日本育英会を前身としていますが

これはもともと1943年10月、

なんと学徒出陣の3日前

大日本育英会として発足しました。

 

しかるにその際、

査定を担当したのが

大蔵省主計局にいた大平さんだったのです。

 

この大平さんが

大蔵大臣として行った赤字国債発行(1975年)を埋め合わせるべく

1979年に導入をめざしたものこそ

消費税のルーツ、一般消費税なんですからね。

 

いやあ、歴史ってこんなふうにつながるんだ!!

 

先週、対談で会った三橋貴明さん

財政法第四条でさらに一冊本を書くべきだ!

と勧めて下さいましたが

たしかにやる価値はあるようですね。

 

三橋さん自身は、グループ1984年の中心人物・香山健一さんに大変興味があるそうです。

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とはいえ

発議されるかどうかも分からず

内容的にもかなりグズグズになっている憲法改正などより

財政法第四条の改正をめざした方が

現実的、かつ日本のためになると思いますよ。

真面目な話。

 

同時に番組の中でも述べましたが

消費税率引き上げの悪影響を指摘するだけでは

「それは認める。だが財政再建のほうが重要なので仕方ない。

健全化もまた痛みを伴うのだ」

というタイプの反論を十分に突破できません。

 

経済への悪影響というレベルの話と

消費税の歴史的・思想的背景というレベルの話を

アウフヘーベンしてインテグレイトすることが

10%阻止の条件なのです。

 

それゆけ、アウフヘーベンマン!

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さて。

アメリカ中間選挙は

11月10日6:55(アメリカ東部標準時間。日本時間なら20:55)の段階で

以下のようになりました。

 

下院(過半数218)

民主党 226(+31)

共和党 198(−31)

当選者未定 11

 

上院(過半数51)

共和党 51(+2)

民主党 46(−2)

当選者未定 3

 

州知事

共和党 26(−6)

民主党 23(+7)

当選者未定 1

出典記事こちら。

 

つまりは

下院 民主党が勝利して過半数獲得

上院 共和党が勝利して過半数獲得

州知事 民主党が勝利したものの共和党が過半数獲得

となります。

どちらにとっても、1勝1敗1引き分け。

 

ある記事には

「青い波(=民主党ブーム)は起きた。

でも、赤い壁(=共和党の基盤)も厚かった」

という評価が出ていましたが

まさに言い得て妙ではないでしょうか。

出典記事こちら。

 

ならばこの微妙な結果を、どう評価すべきなのか。

じつはこれも難しいのですよ。

たとえばCNNは、こう論評します。

 

中間選挙をトランプ氏への信任投票と位置付けるかどうか、

同氏自身の発言は揺れていた。

応援演説で「この候補への投票は私への票だ」と訴えたかと思うと、

「候補者名簿に私の名前はない」と語り、

共和党がどうなっても責任は取れないと強調することもあった。

 

だが6日の出口調査では、

トランプ氏への賛否を表明するために投票した人が3分の2を占め、

全体の4割近くは反対票を入れたと答えた。

 

ただし、中間選挙が大統領の信任投票と位置付けられ、

しかも不信任の意見が強くなりがちなのは、

歴代政権でもみられた現象で、トランプ氏に限った話ではない。

元の記事はこちら。

 

トランプ(共和党)は上院を押さえたうえ、

知事選でも後退したとはいうものの

フロリダやオハイオなど

大統領選で重要な役割を果たす州を制している。

 

ついでに上院は最高裁をはじめとする連邦裁判所の判事、

政府の閣僚、

大使などといった

重要人事(大統領指名人事)について承認する権限を持ちます

ちなみに条約の批准も上院だけで大丈夫(ただし2/3の賛成が必要)。

 

つまりは人事について

自分の思い通りにやる態勢を整えたうえ

2020年大統領選に向けた足固めも進んだことに。

下院での大敗にもかかわらず

トランプが「圧倒的勝利」などとツイートしたのも

あながちハッタリとか

負け惜しみとは言えません。

関連記事こちら。

 

ただし現在のアメリカ経済が非常に好調なのも確か。

そして経済の状態が良ければ

時の政権はふつう信任されます。

 

にもかかわらず、下院で31議席減!

ついでに上院では

そもそも改選される共和党の現職議席が9人しかいなかった。

片や民主党は26人です。

 

かりに民主・共和両党の改選議席数が同じだったら

上院でも民主党が勝っていたのではないか?

ちなみに2020年の上院選では、

改選される共和党現職議席が民主党の倍に達するとかで、

二年後に上院を奪取する可能性が大いに高まったと言われます。

 

アメリカの政治サイト「VOX」はこう論評。

経済がこれだけ良いにもかかわらず

下院で共和党がここまで負けるというのは

ドナルド・トランプにとって政治的大失敗だ。

共和党は「トランプ税」(※)を支払っている。

そしてこの税は重くなるばかりなのだ。

(※)トランプを抱えているばかりに票を失うこと。

もとの記事はこちら。

 

むろんこれには

11月4日の記事

「アメリカ都市部では62%の仕事が、中流の暮らしを支えてくれない」

で触れた格差拡大、

ないし「チャンスの危機」の問題があります。

 

それにしても

圧倒的成功にして大失敗とは

一体どういうことでしょう?

VOXはこれについても、明快な説明を提示します。

 

トランプについては

相反する評価を同時に下さなければならない。

彼が大統領になったことは

どんな基準で見ようと、驚くべき大成功である。

しかし現在のトランプの人気は

好景気下の大統領としては顕著に低い。

トランプは政治の天才であり、かつ出来損ないなのだ。

 

認知的不協和か、それとも高度なアウフヘーベンか?

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・・・オレンジ色した宇宙のジョークという感じですが

まとめればこうなるでしょう。

 

1)下院で過半数を失った以上、民主党の賛同を得られない法案の成立は難しくなる。

ロシア疑惑への追及も強まる可能性が高い。

 

2)上院でも過半数は確保したが、6割の議席までは得ていない。

しかるに上院議員は、フィリバスター(議事妨害)に打って出ることで議事を止めることができる。

これをくつがえすには6割の賛成が必要なので、上院でも法案審議は厳しくなる。

 

3)上院での指名人事承認は過半数で良いので、人事は好きにできる。

また重要な州知事選には勝っているので、再選への足固めも進んだ

 

4)ただし2020年には、上院でも過半数を失う恐れが強い。

 

となるとトランプの取るべき道はこうなるのではないでしょうか。

 

1)内政では民主党との協調路線を取るか、

でなければ大統領令(議会の承認抜きで、政府や軍に出せる命令)を駆使する。

 

2)同時に外交で得点を稼ぎ、自分の人気を高める。

そして「外交の成果+好景気」を旗印に、2020年大統領選に挑む。

 

トランプのジャイアン的性格からして

民主党との協調路線というのはちょっと考えにくい。

「大統領令駆使(議会軽視)+強気の外交+好景気維持」

の組み合わせになるものと思われます。

 

つまりは権威主義的なリーダー像に

いっそう近づいてゆく可能性が高い。

都合の悪い現実を「フェイクニュース」と言って否認したり、

ツイッターで暴言を吐いたりする傾向も、

さらに強まるかも知れません。

 

そして外交で得点を稼ごうとする姿勢は、

具体的にはこんな形を取るものと思われます。

 

1)おとなしく言うことを聞きそうな国(たとえば日本)には、

ガンガン要求を突きつけて受け入れさせる。

 

2)言うことを聞かない国(たとえば中国)には、

喧嘩腰で強硬に迫りつつ、ふいに手打ちを持ちかけるという戦術を使う。

むろんこれには、

手打ちをひっくり返し、また喧嘩腰に戻ることも含まれる。

 

さあ、これはわが国にとってどんな意味合いを持つか?

 

1)経済面では、さんざん譲歩を強いられる。

2)安全保障では任せておけという素振りを見せつつ、

土壇場でハシゴを外しかねないような振る舞いを見せる。

3)そしてハシゴを外さない見返りとして、さらなる譲歩を強いてくる。

 

どうもこうなるような気がしてなりません。

 

「バカ野郎、だから言っただろうが」(※)個人の感想です。

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・・・思えばこれって

ヤクザな男が、女を食い物にするときのパターンですね。

 

過去70年、

アメリカの現地妻として生きてきた日本には

いよいよ、つらい時代が待っている恐れが強い。

これが本日の結論でありました。

 

「でもいいの、愛するって耐えることなんだから」(※)お姉さんの発言です。

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ではでは♬(^_^)♬

 

(おまけ)番組収録後のツーショットです。

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