「表現者」76号(2018年1月号)

この16日、発売となりました。

 

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これは本来、「表現者」の最終号となるはずだったもの。

しかし神はこの雑誌を見捨てませんでした。

 

西部邁先生の顧問のもと、

富岡幸一郎さんが編集長を務めるという

今までの体制こそ終わるものの

藤井聡さんを編集長とする

新たな体制が発足!

 

誌名も「表現者 criterion」となって

存続することが決まったのです。

 

(↓)新編集長こちら。

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criterion(クライテリオン)とは

判断などを下す際の基準という意味。

 

混迷を深めるばかりの現代日本にたいし

たしかな言論の基準を提示したいという

藤井さんのコンセプトに基づく命名です。

 

ちなみにアメリカには

「クライテリオン・コレクション」という会社がありますが

これは選りすぐりの映画を

最高の画質・音質のもと、

特典映像満載のブルーレイやDVDで発売することで有名。

 

映画マニアの間では

「クライテリオン盤」と言えば

良質のディスクの代名詞で通ります。

 

というわけで、

「表現者 criterion 」にも

ぜひ良質の言論の代名詞になってほしいところ。

もちろん、私の連載も続きますよ。

 

だからというわけではないものの

今週土曜、12月23日に配信される

チャンネル桜「闘論! 倒論! 討論!」では

西部先生、

富岡さん、

藤井さん、

そして私が一堂に会することに。

 

戦後日本人は変わってしまったのか?(仮)

というのがテーマですが、

藤井編集長のもとで編集委員を務める

浜崎洋介さんも出ます。

 

(↓)2016年の表現者シンポジウムより。23日の討論では、この顔ぶれが再現されます。

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つまりはこの討論、

「表現者」から「表現者 criterion」への世代交代、

ないし政権委譲の一席となるでしょう。

収録はこれからですが、どんな感じになるか楽しみです。

 

さて。

 

今号の私の連載「一言一会」は

フリードリッヒ・リストの晩春。

 

フリードリッヒ・リストの名は

中野剛志さんの近著を読んでいる方にはおなじみでしょう。

19世紀前半、

国民経済の重要性を唱えたものの

当時から存在した自由貿易至上の風潮もあって世に受け入れられず、

1846年、ピストル自殺を遂げたドイツの政治経済学者。

 

「富国と強兵」でも

「経済と国民」でも

その名がクローズアップされています。

 

(↓)「経済と国民」では、リストにたいする中野さんの思い入れの深さが伝わります。

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しかしリストをクローズアップしたのは

じつは中野さんが初めてではない。

 

日本映画の名匠・小津安二郎監督も

1949年に発表した「晩春」

リストを引き合いに出しています。

 

生没年(ただし間違っていますが)はもとより、

音楽家のフランツ・リストとは

同じ「リスト」でも名前の綴りが違うとか、

ほとんど独学だったにもかかわらず、

歴史派の経済学者としては大したものだったとか、

かなり詳細な紹介ぶり。

(※)音楽家のリストは LISZT で、学者のリストは LIST です。

 

しかし「晩春」と言えば

いつまでも結婚したがらない娘と、

何とか嫁がせようとする父親の心情の葛藤を描いたホームドラマ。

ふつうに考えれば、国民経済とは関係がありません。

 

小津監督はなぜそんな映画で

フリードリッヒ・リストの名を持ちだしたのか?

 

この点をさぐってゆくと、

「晩春」という作品自体が、

たんなるホームドラマを超えた奥行きを持つ映画であることが見えてくるのです。

 

「フリードリッヒ・リストの晩春」、

ぜひご覧下さい。

それから23日の討論も!

 

そしてもちろん、

この3冊を読んでいるかどうかで

議論の奥行きも変わりますよ。

 

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ではでは♬(^_^)♬