アメリカ人は

「フロンティア・スピリット」(開拓者精神)

という言葉を好みます。

 

類似の表現で

「パイオニア・スピリット」

というのもありますが、

困難な課題に挑戦することや

挫折にもめげず前進することは

何であれ、「未開の地を切り拓く」イメージと結びつくんですね。

 

しかもそのような精神を持つことは

アメリカ人ならではの崇高な義務であるようなニュアンスが見られます。

 

トマス・ペインは「コモン・センス」

「根性はアメリカ魂の本質」と論じましたが、

根性を未開地開拓と結びつけることこそ、

アメリカ魂の本質ではないでしょうか。

 

ここで思い出されるのが、

シルベスター・スタローン監督・脚本・主演の映画「ロッキー4/炎の友情」(1985年)。

 

ロッキーがアメリカの威信をかけ、

ソ連のボクサー・ドラゴと対決するという、

冷戦をそのまリングに持ち込んだような作品ですが、

注目したいのは、試合前のトレーニングをめぐる描写。

 

ロッキー vs ドラゴの試合はモスクワで行われるんですね。

で、ドラゴはソ連政府の科学者チームに囲まれ、

最新のトレーニング機器を使って肉体を鍛え上げる。

 

ならば、ロッキーはどうか?

 

こちらはシベリアの原野で、大自然を相手にトレーニングをするんですよ!

雪の中を走ったり、

薪を割ったり、

何人も乗っているソリを動かしたり。

 

これってボクサーの訓練というより、

未開の地に入植した開拓者の振る舞いに似ていませんか?

 

つまりロッキーは

開拓者精神に基づいてシベリアの自然に挑み、

みずからのアメリカ魂をハイテンションにした状態

ドラゴとの試合に臨むのです。

 

ついでに彼はトレーニングを通じて

ソ連の自然に打ち勝っているのですから

もはやドラゴに負けるわけがない。

 

アメリカはフロンティア・スピリットで冷戦に勝利する!!

 

・・・いささかマンガチックな感じもありますが、

この作品、ロッキー・シリーズの中で最大のヒットを飛ばすことに。

アメリカの観客が何に感動するか、

スタローンはよく分かっていたと言えるでしょう。

 

とはいえ現実の世界では、

フロンティア・スピリットがあったところで

いつも勝てるとは限らない。

 

冷戦終結(1989年)から四半世紀が過ぎた現在、

アメリカはこの点に直面させられているのです。

それも、かつてない深刻さで。

 

今回の中間選挙の結果も、

最近のオバマ大統領の不評ぶりも、

こう考えるとよく分かりますよ。

 

というわけで「踊る天下国家」4号目のテーマは

「フロンティアなき米中間選挙」です。

 

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(ただし本日の8:00以前は無効です。ご注意ください)

 

ではでは♬(^_^)♬