10月2日の記事
「スクラップ・アンド・スクラップ、または創造的復興」をめぐって
ホワホさんから、こんなコメントがありました。
(表記を一部変更)
チェックしてみたかぎり
scrap and build は
わが国でもスクラップ・アンド・ビルドとカタカナ表記され
日本語訳はとくに存在しないようです。
ホワホさんは「破壊と再生」と書いていますが
build はたんに「建設」ということですから
再生はちと大げさでしょう。
また scrap も「破壊」よりは「解体、廃止」という感じに近い。
Scrap an idea といったら
アイディアを没にすることであり、
思想を破壊することではありませんからね。
となると scrap and build の日本語訳は
解体と建設
もしくは
廃止と創設
になりそうなところですが・・・
ここで注目すべきは
スクラップ・アンド・ビルドの発想においては
何かをスクラップしたあとにビルドされたものも
いずれはスクラップされる運命にあること。
効率性の維持・向上こそが
スクラップ・アンド・ビルドの目的である以上、
建設だの創設だのといっても
恒久的に持続するものをつくるわけではありません。
老朽化したり非効率的になったりしたら
また解体・廃止するわけです。
壊しては築き、
また壊しては築き・・・
という次第。
そして日本語には、上記の状態を表すいいフレーズがあります。
ずばり、賽の河原。
Scrap and build は「賽の河原」と訳したらどうだ!!
「シン・ゴジラ」の幕切れに登場したフレーズ
この国はスクラップ・アンド・ビルドで発展してきた
にしても、
この国は賽の河原で発展してきた
と言い替えたら、
じつに意味深長となるではありませんか。
この国は発展しているつもりで、堂々めぐりを繰り返してきた
と言うのと、ほとんど変わりませんからね。
まさに「僕たちは戦後史を知らない」の世界です。
ラストに映った
凍結したゴジラの姿にしても
戦後日本という賽の河原で
人々が供養のために積み上げた石塔だと考えると
しっくり来るのではないでしょうか。
ちなみにチャンネル桜の討論番組
YouTubeでもご覧になれます。
けっこう好評のようですよ。
ではでは♬(^_^)♬
スクラップ・アンド・ビルド
これは逆に、和訳してみろよと、尋ねて見たいですね
破壊と再生じゃなくて
破壊ゆえに再生になってるんじゃないかと