「ちょく論」の2回目につづいて本日は
連載「一言一会(いちごんいちえ)」をやらせていただいている
「表現者」(MXエンターテインメント)の57号が発売となります。
硬派の言論誌でありながら
ここ数号、アマゾンではアダルト部門でも好成績を記録するなど、
オトナの雑誌としての貫禄を見せつけた「表現者」。
今回の特集は「米ロ対決 『大戦』の足音がする」。
米ロ対決というと、
なんだか冷戦時代に戻ったみたいですね。
もっとも冷戦時代は、
よほどの社会主義びいきの人でもないかぎり
日本はアメリカ側につくべし!
という結論は揺るがなかったものの、
今回は必ずしもそうとは言えないのが微妙なところ。
中野剛志さんが「世界を戦争に導くグローバリズム」で指摘したように
今回の米ロ対決、
グローバリズムの夢に酔ったアメリカが、ロシアを追い詰めた結果のもの
という性格もあるんですから。
さあ、日本はどうするのか?
・・・ここで連想されるのが、1962年のゴジラ映画
「キングコング対ゴジラ」。
国産のゴジラ映画としては、公開当時、最大のヒットを記録した作品ですが、
この映画での怪獣対決、みごとに冷戦の比喩になっているんですよ。
北極海に出現したゴジラが
南下して日本を襲撃しようとするのにたいし、
太平洋で見つけたキングコングを連れてくることで
撃退しようって話なんですから!
普通に考えれば
「ゴジラ=ロシア(当時はソ連)、キングコング=アメリカ」ですよね、やっぱり。
しかし1962年と2014年では、
世界のあり方もずいぶん変わりました。
今やキングコングが日本に来るのではなく、
ゴジラがハリウッドに行く時代。
これは日本の立場が強くなったことのあらわれか?
それともグローバリズムのあおりを食って、
ゴジラまでアメリカに取られてしまったということなのか?
私の評論では、
今年のハリウッド版「ゴジラ」を
1998年の旧ハリウッド版「ゴジラ」と比較しつつ、
この点を取り上げます。
題して「ゴジラよ、アメリカを守りたまえ」。
同国の有名な歌「神よ、アメリカを守りたまえ」のもじりです。
ちなみにゴジラについては、
「メディア関係」カテゴリーの以下の記事もどうぞ。
「わがゴジラ映画出演記」(8月6日)
「今度はホントにゴジラに出たい!」(8月7日)
「わがハリウッド・デビュー」(8月23日)
「ジュリエット・ビノシュと死ぬということ」(8月24日)
ついでに「文化・アート」カテゴリーの以下の記事も。
「ゴジラ出現60周年」(8月13日)
「ゴジラ目撃60周年」(8月15日)
「ゴジラ上陸60周年」(8月20日)
「安らぎよ、光よ」(8月21日〜22日、全2回)
そしてもちろん、この本どうぞ!
「夢見られた近代」については、以前、
リミックス増補版がVNCより出るとお伝えしましたが、
諸般の事情により、中止となってしまいました。
そこであらためて、NTT出版からのバージョンをご紹介する次第です。
そうそう、今号の「表現者」には
「僕たちは戦後史を知らない」の書評も出ています!
以上2冊、ぜひごひいきに。
そしてもちろん、
オトナの言論誌「表現者」もごひいきに。
ではでは♬(^_^)♬
1 comment
マゼラン星人二代目 says:
10月 18, 2014
サブカルに世相が反映しているかどうかはわかりませんが。。。
今度の実写版パトレイバーの帰国子女キャラ、ロシア人ですね。前のアニメではアメリカ人だったはず。