8月28日付の「フォーリン・ポリシー」に

何ともヤバい記事が出ています。

 

日本人男性・湯川遙菜さんを拘束していることでも知られる

イスラム過激派組織、

または萌芽状態の国家「イスラム国」

生物兵器の開発をもくろんでいる可能性がある!

 

イスラム国については、「国際・海外」カテゴリーの記事

「政治における幻想と愛」でも取り上げましたが、

今度の話はインパクトが違う。

 

それによると

シリアの某反体制組織がイスラム国側のアジトを襲撃、ノートパソコンを捕獲したそうです。

元の所有者はシリア出身のイスラム国メンバー、

ムハメッド・S氏とか。

 

パソコンには一見、何のファイルもないようになっていましたが

調べてみると35,000件以上の隠しファイルがあることが判明。

 

ファイルの内容は

 

オサマ・ビンラディンの動画

爆弾製造のマニュアル

自動車の盗み方をめぐるノウハウ

アジトからアジトへ移動する際の変装の仕方

 

などでしたが、

さらに調べてゆくと

生物兵器のつくりかたをめぐるテキストが発見されたのです。

 

具体的には腺ペスト。

 

実際にテロを行う前に

ネズミに注射して効果を確認せよ

など、かなり実践的な指示が含まれていたとか。

 

そしてファイルには、

大量破壊兵器の使用をめぐるイスラムの見解まで収録されていました。

いわく、

イスラム教徒がカフィール(不信心者)をどうしても撃退できなければ

大量破壊兵器の使用も許される。

たとえそれが、カフィールを皆殺しにするだけでなく

連中の子孫まで地上から根絶やしにしたとしても、である。

 

パソコンの所有者だったムハメッド・Sは

チュニジアの二つの大学で

化学と物理学を勉強した経歴が確認されています。

 

生物兵器の利点は

たいしてカネをかけずにつくれる一方、

敵側に甚大な被害を与えられる点だ。

 

小型の手榴弾とともに、

地下鉄の車内、

サッカースタジアム、

あるいは娯楽施設といった密閉性の高いところで使用せよ。

空調設備のそばでやるのが(すぐに広まるため)ベストである。

自爆テロの際に併用するのも良い。

 

マニュアルにはそう書かれていたとか。

 

記事の原文をご覧になりたい方はこちらをクリック。

 

むろんイスラム国が

すでに生物兵器を持っているという証拠はありません。

 

しかしイスラム国の勢力圏内には

大学や研究所が含まれているのも事実。

ムハメッド・Sのような人物が

生物兵器の開発に邁進していても、何らおかしくないのです。

 

くしくも日本ではデング熱がらみで

代々木公園の北側地区がついに閉鎖されましたが、

いよいよ話が「復活の日」じみてきました。

 

デング熱に関する記事をご覧になりたい方はこちらをクリック。

 

細菌、とくにウイルスの厄介なところは

突然変異による新種が生まれやすいこと。

 

ロイターによれば

目下、アフリカで流行しているエボラ出血熱についても

300回以上の突然変異が確認されているそうです。

 

記事をご覧になりたい方はこちらをクリック。

 

まして生物兵器もなれば

殺傷能力を高めるべく、人為的な遺伝子操作がなされる危険もある。

 

「復活の日」で人類のほとんどを滅ぼした生物兵器・MM88のような代物が

いずれ実際に使われないとも限らないのです。

 

これについては、「国際・海外」カテゴリーの記事

「エボラ出血熱と復活の日」(全3回)もどうぞ。

 

イスラム国、討つべし!!

・・・ふつうに考えれば、そういう話になって当然でしょう。

 

ところが、それだけでは済まない可能性があるのですよ。

20世紀フランスの著名な思想家・作家

ジャン=ポール・サルトルの発想にしたがえば

大量破壊兵器の国際的拡散を全否定することは

必ずしも望ましくないのです。

 

サルトルさん、

「飢えた子供を前にして、文学に何ができるのか」

という問いかけをした人ですが、

けっこう過激なことも考えていたんですね。

 

ちなみにノーベル賞作家・大江健三郎さんも、

「核時代の想像力」という本(新潮選書、1970年)で

サルトルの発想を支持しています。

 

大量破壊兵器の拡散を肯定する論理とはいかなるものか。

長くなったので、つづきは明日のブログをどうぞ。

 

・・・それはそうと、湯川さんはどうなったのでしょうか?

最近、まるで報道がないようですが。

無事だといいのですけど。

 

ではでは♬(^_^)♬