8月28日の記事
「西崎義展さんと戦後日本、または『あんた、宇宙愛の何なのさ?』」
につづき、
今回も「宇宙戦艦ヤマト」を世に送り出したプロデューサー、
西崎義展さんの話をするつもりだったのですが・・・
毎度おなじみ北朝鮮が、
29日、またまたミサイルを発射。
今回は北海道上空を通過して、
襟裳岬の東、約1200キロの太平洋上に落下しました。
これについて総理は
同日午前6時24分の時点で、次のように発言。
我が国に北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、
我が国の上空を通過した模様でありますが、
直ちに情報の収集、分析を行います。
そして、国民の生命をしっかりと守っていくために、万全を期してまいります。
つづいて、午前7時56分の時点で、次のように発言。
政府としては、ミサイル発射直後からミサイルの動きを完全に把握しており、
国民の生命を守るために万全の態勢を取ってまいりました。
これまでにない深刻かつ重大な脅威であり、
地域の平和と安全を著しく損なうものであり、
断固たる抗議を北朝鮮に対して行いました。
ン?
早朝から対応に追われた総理には失礼ながら
二つのコメントを並べてみると、
どうも内容がイマイチ、噛み合っておりません。
6時24分の発言には
直ちに情報の収集、分析を行います
というくだりがあります。
一方、7時56分の発言では
政府としては、ミサイル発射直後からミサイルの動きを完全に把握して(いた)
ことになっている。
しかるに北朝鮮がミサイルを発射したのは5時58分。
北太平洋に落下したのは6時12分でした。
発射直後(=5時58分の直後)から動きを完全に把握していた
という7時56分の発言が本当であれば(※)
なぜ総理は6時24分の時点で
直ちに情報の収集、分析を行う
と述べたのでしょうか?
(※)ちなみに総理が前日から公邸に泊まり込んでいたことを根拠に
発射の兆候を事前に察知していたのではないかとする見方があるものの
「兆候の察知」と「動きの完全な把握」は別物と考えるべきでしょう。
ついでに6時24分発言では
国民の生命をしっかりと守っていくために、万全を期してまいります
となっていたのが、
7時56分発言では
国民の生命を守るために万全の態勢を取ってまいりました
となっています。
となると政府は
6時24分から7時56分までの間に
国民の生命を守るための万全の態勢
なるものを取ったものと推測されますが
ハッキリ言えば、こんなものはまったく手遅れなんですよ。
ミサイルは6時12分、
襟裳岬の東1200キロの北太平洋に落下したのですから
かりに日本のどこかを狙って発射した場合は、
6時10分以前に着弾し、
それによる被害が生じているはず。
で、6時24分以後に万全の態勢を取ったって?
だいたい6時24分から7時56分までの間に取られた
万全の態勢なるものは
具体的に何なのでしょうか?
こう言っては何ですが、
二つのコメントを比べれば比べるほど
以下の結論が浮き彫りとなってしまうのであります。
1)日本政府は国民の生命など守ることはできない。
2)「万全の態勢」という言葉は、「断固たる抗議」と同じくらい無意味である。
3)総理は自分の発言内容を理解していないか、
少なくともそのように受け取られても仕方ない振る舞いをしている。
あんた、ミサイル発射の何なのさ?!
まったくのギミー・シェルター状態ではありませんか。
やっぱり、いずれ日本は大炎上するんじゃないかなあ。
他方、
官房長官へのツッコミで知られる東京新聞の望月衣塑子(もちづき・いそこ)記者は
ツイッターでこう発言。
北朝鮮のミサイルが北海道の一部上空を通過し1200km 離れた太平洋に落下。
北朝鮮の狙いは、戦争することではなく、
軍備強化を背景に、国際的な発言力を持ち、
米国と台頭に話し交渉できる位置に立つ事。
日本政府にはミサイル発射に煽られるのではなく、より冷静な対応が求められている
「より冷静な対応」が
具体的にどのようなものかは分かりませんが
このツイートで興味深いのは
明確に戦争を意図していないかぎり、
いくら挑発行為を繰り返しても戦争(ないし武力衝突)が起きるはずはない
という前提が見られること。
そうです。
戦争は当事国の狙いとは関係なく
偶発的な要因や
なしくずし的な出来事の積み重ねによっても起こりうるという
世界の実情を踏まえた発想は
望月記者の認識枠組みからみごとに抜け落ちているのです!
あんたも、ミサイル発射の何なのさ?!
だ・か・ら、
『右の売国、左の亡国』と言うのですよ!!
前にも書いたことですが
やっぱりわが国を待ち受けているのは
エドマンド・バーク言うところの
「炎と血の洗礼」かも知れませんよ・・・
ではでは♬(^_^)♬
3 comments
Daniel says:
8月 31, 2017
今から思えば、「空襲警報の鳴り響く日常って、どんなんだったの?みんな、どうやって備えてたの?」って、祖母に聞いとけばよかったなと思います。私は青少年時代、そんな日々が再び日本に訪れるとは、夢にも思ってなかったので、そんな質問も思いつかなかったのです。
祖父はその頃、大陸に出征していたので、それを訊く対象ではありませんでしたしね。
(故郷では戦後、もう戦死したと思われていた頃、シベリア抑留が解けて、祖父はひょっこり帰ってきました。「トーキョー、ダモイ」。それで即座に祖母と見合いして、それで生れたのが父です。我が家には、祖父が出征した時の幟り旗が、今も家宝として大切に保管されています。驚くことに、旗は全部、絹で作られており、手触りも見事に滑らかです)
B29の進路が概ね固定されていたことも聞きました。「日本の戦闘機は、反撃しなかったの?」と聞く私に、祖母は、「殆ど無かった。ごく偶に、体当りしていく戦闘機があった。それだけ。」と答え、私を落胆させました。日本の航空隊は、何をしてたんだと、憤慨しました。
日本は当時、迎撃する余力さえ殆どなかったのです。
今の日本と、何か重なりませんか?国力は当時と桁違いなのに、ミサイル危機に対し、成す術がない。もし日本に反撃能力があるというのならば、片っ端から撃ち落してみせるという手もあるとは思うのですがね。恐らくは、それをやると、敵に手の内を見せることになるというのがその理由でしょう。
私は幾度も言うように、安倍総理が本当に嫌いです。しかし、「政府としては、ミサイル発射直後からミサイルの動きを完全に把握しており、」という安倍総理の仰る件りは、一応信じたいと思います。
というのも、私は、日本の偵察衛星の威力を信じるからです。私の友人も、この偵察衛星の事務所に何人も詰めています。アメリカの偵察能力に届くかと言えば、それは全く分りませんが、この間も、H2Aロケットから、準天頂衛星の打上げが成功しましたよね。
この準天頂衛星ってのは、実は日本独自の発明でありまして、本来は、静止軌道に衛星を乗せるのが順当だと世界中で思われていたところ、敢えて少し八の字軌道を取らせるのです。斜めから地上をしょっちゅう把握できるので、それで、三次元の陰に隠れるものも全て捉えられると。
まぁ偵察衛星の軌道については、色々の論や実例がありますので、この説明では実は到底カバーできませんが、私は嘘はついていませんので、一応皆さん信じて下さい。
これは日本の通信その他の切り札だとして、ずっと科学技術庁が大蔵省に申請し続けていたものだそうです。今になって、それが実を結んだ。
実は科学技術庁には、陸海軍の技術将校が、多数入庁していたそうですよ。
総理や官房長官の発言がブレているのはその通り。でも、先生も実は百も承知でしょうが、今ここで総理は、「日本には為す術なく、社会が混乱している」と対外的にも対内的にも、言うことは出来ないのですよ。
そこは、「忖度」でしょう。どのくらい、「備える」ということが浸透するかは、地方自治体以下、日本国民が等しく考えて、率先して実行することだと思います。今、日本国民の実力が問われています。本当は、旧自治省たる総務省が、密かに指令を各自治体に発して、全国的に施行すべきことと思いますがね。完全に遅れています。
レギーム作 says:
8月 31, 2017
(日本のアメリカ従属を始めとする様々な問題を、乱暴にもガン無視した上で)
現状、もしミサイルをくらっても、我が国日本は、“what’s the damage?”って話をすぐしてそう・・・。
フルート says:
8月 31, 2017
6時24分の「我が国に北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、我が国の上空を通過した模様でありますが、直ちに情報の収集、分析を行います。そして、国民の生命をしっかりと守っていくために、万全を期してまいります。」と、
7時56分の「北朝鮮が発射した弾道ミサイルが我が国上空を通過し、太平洋に落下いたしました。政府としては、ミサイル発射直後からミサイルの動きを完全に把握しており、国民の生命を守るために万全の態勢を取ってまいりました。(中略)強固な日米同盟の下、いかなる状況にも対応できるよう緊張感を持って、国民の安全そして安心の確保に万全を期してまいります。」なのですが、
私は1回目の会見での「我が国の上空を通過した“模様”でありますが、」の所と、2回目の会見での「日米同盟」の使われ方に引っ掛かりと変な可能性を感じました。総理の2回目の会見の結論部は、「強固な日米同盟の下、いかなる状況にも対応できるよう緊張感を持って、国民の安全そして安心の確保に万全を期してまいります。」で、1回目にも出ていた「生命」の話しから話しは「安心」の話しに広がりつつ、また広がると同時に政府は緊張感をしっかり持つともしていて、そしてこれらは全て「強固な日米同盟の下」行われるとされています。
緊張感のない政府に安心感を持つことがおかしいのは当然として、また現状ただ日米同盟を弱めることで安心が得られると考えるのも変ですけど、もしミサイル通過時の総理にとって「いかなる状況にも対応できる」ことと最も強く関係していたものが政府の緊張感ではなく「強固な日米同盟」で、且つ1回目の会見に出てきた「直ちに情報の収集、分析」は(文脈的にもかなりおかしいとは思いますが..→)アメリカからの更なる情報提供もまた不可欠な北朝鮮の今後の動向も含めての情報のことで、2回目の会見に出てくる「ミサイル発射直後からミサイルの動きを完全に把握しており」は北朝鮮の動向のことではない飽くまで発射直後からのミサイルの全軌道の話しで、しかも現状の同盟関係でも日本に撃ち落とせる力と権限があったなら、1回目の「我が国の上空を通過した“模様”でありますが、」は、総理の過剰なアメリカへの親近感と信頼感から出てきてしまった行き過ぎとして誤った余裕だった可能性や、撃ち落とせていた可能性も一応残ると信じたいと思いました・・。←すごい都合の良い解釈が出来上がっちゃいました・・。