昨日の記事
「見て見ぬふりはダメ」の続きです。
つまりこれも、Taiseiyouさんのコメントへのお返事。
なぜ水島社長の心情をくみ取るべきなのか、
taiseiyouさんはこう書かれました。
人間60歳を過ぎますと、そろそろ人生の終着点を考えるようになります。
残された時間を考えるようになります。
自分が人生の後半においてすべてを掛けた行動で、残り時間も見え始めた60代後半にさしかかって、やっと出て来た安倍晋三という希望の星に思いを託す水島さんの心情は、40代の佐藤さんには中々分らないと思います。
おっしゃる通りです。
そういう意味では、水島社長の心情は私には分かりません。
福田恆存なら、
誰も自分の心は自分にしか解らない、
お互いにそうなら、
自分を解ってくれぬ他人を怨むより
他人を解ってやれぬ自分を反省した方がいい。
と言うところですね。
しかし気になるのは、
安倍晋三は本当に(そこまでの)希望の星なのか?
という点と、
かりにそうだとしても、安倍晋三にすべてを賭けるのは正しいか?
という点です。
ハッキリ言ってしまいましょう。
かりに「戦後レジームからの脱却」を担いうる人材が
安倍首相一人だとするなら、
戦後レジームからの脱却など、あきらめた方がいい。
70年近く続いていた国のあり方を変えるというのは、
5年や10年で出来ることではありません。
個人的には、たとえ脱却が可能だとしても
少なくとも30年、たぶん50年ぐらいはかかると思っています。
いかに長期化しようと、安倍政権がそこまで続くはずはない。
その意味では、現政権にできることなど
しょせん限られていると言わねばなりません。
希望の星もほどほどです。
だいたい最近の安倍政権は
戦後レジームから脱却しようとしているのか、
戦後レジームを完成させようとしているのか、
分からないようなことも多々やっている。
しかしこの点には、ひとまず目をつぶりましょう。
私が申し上げたいのは
安倍晋三氏が戦後レジームからの脱却に邁進しているとしても、
氏が総理でいる間に、その目標が達成される可能性は
ずばりゼロだということ。
レジームの切り替えとは、そんな甘いものではありません。
水島社長どころか、
私が生きている間に
そこそこ脱却ができれば上出来なのです。
これだって分かりませんよ、本当のことを言えば。
われわれが生きているのは、いわば「間(ま)の時代」です。
リレーで言えば中間走者。
「戦後レジームからの脱却」というテーマ、
あるいは私の持論で言えば
「近代日本の堂々めぐりからの脱却」というテーマを
前の世代から正しく引き継いで
次の世代に正しく引き渡す、
それくらいしかできることはありません。
だいたい「日本を託せるのは安倍しかいない」などと思い詰めたあげく
安倍政権が予想もしなかった理由で崩壊したらどうするのですか?
日本に絶望しますか?
それでもあきらめないのが、正しい保守の精神ではないでしょうか。
したがって、安倍政権を希望の星のごとく見なし、
すべてを賭けようとする態度に
私は賛成できないのです。
そのような「すべてか無か」という姿勢は、
福田恆存が指摘するとおり、
進歩主義、つまり左翼思想の影響を受けたものであり、
保守主義とは本来、無縁のもの。
(「進歩主義の自己欺瞞」より。評論集『日本を思ふ』収録)
というわけで水島社長には
ご自分がまだまだ左翼思想の影響から抜けていないことを自覚されたうえで
「安倍か無か」という思い詰めた二者択一思考から
脱却していただきたいのです。
いかがでしょうか?
ではでは♬(^_^)♬
8 comments
taiseiyou says:
8月 1, 2014
重ね重ねありがとうございます。
佐藤さんの分析は全く同感であり、その独自の切り口が私が佐藤ファンの所以であります。
また分析能力もさることながら、人柄にも感心しました。
佐藤さんの人柄について、今ふとある映画のセリフが頭を過ぎりました。
東京物語のラストに近い名シーンで笠智衆が原節子に向かって・・・
「あんたはほんとええ人じゃよ、正直で」・・・すみません失礼しました。
akkatomo says:
8月 1, 2014
私達は、現在の日本人のみならず将来の、そして過去の日本人に対しても責任を負うものでございます
国民とはそういうものであります
で、あれば何であれ歴史の帰し方行く末をただ一人の人物に帰するなど、
単なる当該人物の理想化、神格化以外の何物でもございますまい
安倍から目を離して東京ドームでも見てみるといいです
今日もお客さんが一杯じゃないですか。それを忘れてはいけません
安倍さんにせよ、その支持者にしてもです
マゼラン星人二代目 says:
8月 1, 2014
はじめてコメントを入れる者です。
コメント込みで拝読しました。
皆さん、見識がお高い。
そんな中、いわゆる「保守派」の人達にとって、安倍さんが余人をもって替えがたい存在として扱われがちなことについて、私はやや下賎な勘繰りをしてみたい。
いわゆる安倍さんの周りに群がってこれを奉じている人たちは、実は救い難いほどお互いに不仲で、したがって、安倍さん以外の人物が名乗りをあげても誰もついてこない、という状態に陥っているのではなかろうか、と。
それだけです。
ただの思いつきですが。
nightmare says:
8月 1, 2014
http://kanae.2ch.net/test/read.cgi/eco/1406879523/
レス61以降は水島社長に対する批判で溢れています。昔は社長にシンパシーを感じる人が多かったのですが。社長の安倍晋三に対する妄執・狂気に違和感を抱く人が増えた証拠かもしれません。
カインズ says:
8月 2, 2014
【直言極言】内なる反日勢力と具体的に対峙せよ[桜H26/8/1]https://www.youtube.com/watch?v=zrdQQDsDoAk&list=UU_39VhpzPZyOVrXUeWv04Zg
「安倍政権を批判する者=バカ」から、「反日勢力」へと格上げされたようです。ここまで安倍総理を支持するのなら、せめて納得できる理由を聞きたいものですが、真っ先に出てくる理由がメルケルに褒められたからというのがどうにも情けなく思います。
カインズ says:
8月 2, 2014
連投失礼します。先の動画でも日下氏の見解に随分と依拠しておりましたし、水島氏は、自分の中の価値判断の基準というものを見失ってしまっているように思えます。
NIGHTMARE says:
8月 2, 2014
>カインズ様
【TPP】正に自己責任、参加論者の名前を銘記すべし![桜H23/11/3]
https://www.youtube.com/watch?v=GY8sxRN7Mcc
過去に社長はTPP容認者をボロクソに非難しておりました。
しかし安倍さんがTPPに参加表明した時
「誰が総理でもTPPに参加していた」
「アメリカの枠の中でしか動けない」
「これも戦後レジームなのです」
などと意味不明な言葉を並べて、結果的にTPP推進者を容認したのです。
これはイコール「水島社長はTPPを容認した」ということです。
これが水島総という男の本質なのです。
価値判断の基準などというものは初めから存在しません。
カインズ says:
8月 2, 2014
>NIGHTMARE様
痘痕(あばた)も靨(えくぼ)と申しますか、安倍総理の行動ならば、好意的に解釈してしまう傾向が強いように思われますね。