昨日も書きましたが

日本の保守派は、

みずからの正義感や愛国心が

100%純粋なものだという自己陶酔にひたる傾向が強い。

 

ついでに「愛国のパラドックス」でも指摘したように

自分だけが日本人の幸福なあり方を知っており、

自分だけが日本の、世界の未来を見通しており、

万人が自分についてくるべきだと確信している

としか思えない方も少なくない。

 

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詩人のジョン・ダンの言葉を借りれば、こうなります。

自分こそ不死鳥に違いない、そう誰もが思う世の中だ。

そして自分以外に不死鳥などいるはずがない、

誰もがそう思い込むのだ。

 

この詩をめぐる詳細は、こちらの本をどうぞ。

 

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しかるにですな。

自分の正義感や愛国心が100%純粋で、

自分だけが日本の進むべき道を知っていて、

自分と同じくらい優れた存在などいるわけがないと信じ込んでいる人は、

どんな気持ちになるでしょうか?

 

そうです。

自分は周囲から良くしてもらって当たり前と考えるようになるのです。

 

さて。

三橋貴明さんは「愛国のパラドックス」を激賞してくださったブログの中で、

田母神俊雄事務所で生じた政治資金使い込み事件について触れています。

 

事件の詳細については

関係者の話が食い違うところもあるものの、

数千万円に及ぶお金が消えてしまったことは誰も否定できない模様。

 

しかも「日本を良くするために」として集まった寄付金が

遊興費や生活費など、

まったく関係ない目的に使われたことも誰も否定できない模様。

 

田母神さん、支援者の期待と信頼を裏切ったと批判されても仕方ないでしょうね。

 

先の討論番組「日本の良さって何だ?」で私は、

人を信じ、言葉を信じることのできる社会は良い社会である

と発言しましたが、

ならば今回の事件は

保守派の世界は、保守の基準に照らしても良い世界とは言いがたい

と、暴露したことになります。

 

ではなぜ、こんなことになったのか?

 

一番簡単な説明は、会計責任者を信用しすぎたというものでしょう。

ならばなぜ、会計責任者を信用しすぎたのか?

 

田母神さん、

保守派のヒーローのごとく扱われるうち

自分は周囲から良くしてもらって当たり前と考えるようになっていたのではないでしょうか。

 

これはつまり、

放っておいても、みんなは自分に尽くしてくれるはずだ

ということですから、

チェックが甘くなるのも無理からぬことです。

 

・・・しかし問題は、

自分は周囲から良くしてもらって当たり前と考える人は

支援者にも(本当は)感謝していないということ。

 

三橋さんはブログで

田母神さんの記者会見について、こんな感想を述べています。

 

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それにしても、田母神氏の口から、

「都知事選で寒い中、凍えながら選挙戦を手伝って下ったボランティアの皆さん」

への謝罪の言葉一つ無いとは、衝撃的でございました。
 

人の本心は時として、

口に出したことより

口に出さなかったことから見えることもあるのです。

 

むろん、このすべては推論ですよ。

田母神さん、周囲から良くしてもらって当たり前とは全く考えていないかも知れません。

支援者やボランティアにたいしても、心から感謝しているかも知れません。

 

けれどもその場合、

事務所の政治資金は「支援者からもらった(=自由に使ってよい)お金」ではなく、

「日本のために支援者から預かっている(=一円もムダにしてはいけない)お金」のはず。

 

にもかかわらず、数千万円規模の使い込みが生じたとすれば、

管理能力に致命的な欠陥があると言われても仕方ないでしょう。

 

そして安倍総理がつねづねおっしゃるとおり、

「政治は結果が全て」なのです。

 

ではでは♬(^_^)♬