今回の抜釘手術は
わが足首の骨がようやくつながったことを示す喜ばしいもの。
まあ、動きがどこまで事故前の状態に戻るかは
まだ分からないところがあり、
リハビリはまだまだ続くのですが
手術と前後して、さらに喜ばしい話がありました。
2011年3月に刊行した
『新訳 フランス革命の省察』が
おかげさまで順調に売れ続け、
また増刷となったのです!
これで6刷。
ありがとうございます!
思えばこの本が出た6年半前は
まだ民主党政権時代。
ご存じのとおり、2012年に下野していらい
民主党は凋落が止まらないまま民進党と改称、
今やその民進党まで消滅寸前(※)なのですから
初版から6刷にいたる間に、世の中かなり変わりました。
(※)参議院の所属議員たちは選挙後どうするのでしょうね。
とはいえ一貫して変わらないのは
経世済民がまるで達成されないまま
改革と称する堂々めぐりが続いていること。
これについては、ちょっと面白いエピソードがあります。
『新訳 フランス革命の省察』の帯コピーは
この迷走、この混乱!
いまの日本とどれだけ違う?
というもの。
その下に
空理空論と現実逃避ばかり、
「改革」の正体をあばく!
というサブコピーがつきます。
むろんこれは
刊行当時に迷走を繰り返した民主党政権を指したもの。
ところが2015年ぐらいだったか
こういう趣旨のコメントがあったのです。
このコピーは日本の現状そのものだ。
安倍政権のありさまを見て
新しいコピーをつくったのではないのか?
・・・いえいえ、
2011年いらい一貫して
「この迷走、この混乱! いまの日本とどれだけ違う?」です。
けれどもわが国が
どこの党が政権を担うかなどとは関係なく
堂々めぐりを繰り返してばかりいることを
かくも端的にえぐったコメントも珍しい。
民主党政権を念頭に考案されたコピーについて
自民党政権を念頭に考案したものだろうと解釈したわけですからね。
だ・か・ら、
『右の売国、左の亡国』と言うのですよ!!
(↓)「右翼とか左翼というものはない。上がってゆく翼と、落ちてゆく翼があるだけだ」(ボブ・ディラン)
ついでに今回の総選挙など
まさしくフランス革命顔負けの様相を呈している。
大まかに言って
「国難突破」を謳う急進(改革)派と、
「希望」を旗印にする前衛(改革)派と、
「護憲」を叫ぶ左翼(反動)派の争いなんですから。
ヾ(℃゜)々!!!急進 VS 前衛 VS 左翼!!!(゜ロ)ギョェ
いやあ、民主主義は多様な選択肢が保障されていて素晴らしいなあ。
これぞダイバーシティ(※)ですよ、ホント。
(※)この言葉の真の意味については、『右の売国、左の亡国』の「政治経済用語辞典」をどうぞ。
ここで思い出されるのが
今から50年前の1967年、
メアリー・マッカーシーというアメリカの作家・評論家が述べたこと。
いわく。
本当のところ、われわれは選択の余地を与えられていないという感覚が
アメリカでどんどん広がってきている。
大統領選挙での候補選びなど、
車を買うとき、シボレーとフォードのどちらにする? というようなもの。
そのココロは、細かいスペックがちょっと違うだけ。
ホテルだって同じ。
泊まっている客室のエアコンをつけるかつけないか、決めることはできる。
それは「あなたの自由」だ。
けれども窓は開かないようになっているのである。
マッカーシーの発想にならえば
開かない窓を強引に開けようとすることこそ
かの「炎上」の中核にあるものかも知れません。
(↓)「一つひとつの試練のたび、炎と血の洗礼が待っているに違いない」(エドマンド・バーク)
そう、
わが国では今なおフランス革命が続いているのです。
ではでは♬(^_^)♬
14 comments
豆腐メンタル says:
10月 11, 2017
増刷おめでとうございます。変化目まぐるしい時代にあって先生の御本がすでに古典としての普遍性を示し始めています。過去の省察の書でありながら予言の書なのです。愚学者ども跪け!笑
>急進 VS 前衛 VS 左翼
>民主主義は多様な選択肢が保障されていて素晴らしいなあ。
内ゲバ懐かしいなぁ-空想-
デフレだと政治家も縮むのですね。多様性の中には退化も含まれているのですね。
覇権争いなんて健全なものではありません。箱庭やロールプレイのようです。観ているこちらが不健全さに覗き込まれるような隔絶感。
どうでもいいことですが私の過去への旅はようやっと2015年を迎えました。
ペースと質が凄いことになっています。コメント欄も楽しいです。
kuma says:
10月 11, 2017
先生、遅ればせながら抜釘と増刷おめでとうございます。
>開かない窓を強引に開けようとすることこそ
>かの「炎上」の中核にあるものかも知れません。
でも窓の外は暴風雨、なんてオチがありそうですね。
マゼラン星人二代目 says:
10月 11, 2017
>>「国難突破」を謳う急進(改革)派と、
>>「希望」を旗印にする前衛(改革)派と、
>>「護憲」を叫ぶ左翼(反動)派の争い
>「護憲」を叫ぶ左翼(反動)派の争い
これを鼎立の一項としてお認めいただけて感激ひとしおです。佐藤先生にお認めいただけたからには、選挙結果もそれほどひどいものにならないことが期待できそうです。少なくとも「消滅」はありますまい。
数の力としては最弱で(三国志でいう)蜀のようなポジションでしょうが、ともかくも、一枠としては揺ぎなく存立することでしょう。
せい says:
10月 12, 2017
先生増刷おめでとうございます。(挨拶)
最新刊の炎上の本読みました。最後の方、帯にある通り、君の名はや進撃の巨人やまどかマギカまで出て来て、とても面白かったです。藤井聡さんがセカイ系と聞いて「何ですかそれは?」と興味をお持ちになられた(?)のが印象的です。
Danil says:
10月 13, 2017
これは何度でも何度でも事実として言いますけど、
財務省は、消費税は、10%で終らせる気は更々なくて、最終的には、30%くらいで落ち着かせる気なのです。私、何度も何度も言いましたよね。佐藤先生もお認めいただけると思います。彼らの動機は、日本国民が苦しむことなのです。日本国民が苦しめば苦しむほど、彼らのエクスタシー、つまり、性的絶頂が、いや増しに増すのです。
おーい、財務省関係者、このウェブにも来てるんだろう?反論してみろよ。Welcome!
遺憾ながら、この衆院選で、消費税10%が本当に実現するでしょう。
皆さん、一万円モノ買ったら、百円消費税取られる。百万円モノ買ったら、一万円消費税取られるのです。こんなんで、高い買い物、出来ますか。
これは、どういうことかというと、日本国民には、一切の消費行動を抑止する、消費すればするほど、消費税が払われるし、財務省は、国民が困窮すればするほど、絶頂感がエスカレートし、更に増税を目論むのです。
もう、彼らには、日本経済なんて、本当にどうでもいいのです。国民なんて、塗炭の苦しみに会えば、会うほど、自分達の政策が正しかったと、更に絶頂するのです。
覚えていますか、皆さん、あの「ハゲー!」の豊田議員のことを。あれですよ、あれ。
ただ、財務省は、それをスマートにしているだけですよ。あれが雛形、あれが原型なのです。誰か反論してみろよ。ん?
ハッキリ言います。その内、10%ではとても足りない、15%必要論が出てきますよ。Danielの予言。これには絶対の自信があります。
おーい、Danielはただの変態で、ゆとり世代をいじめているだけの詰まらないおっさんだと。みんな思っていませんか。別にそう思うならそれは個人の勝手ですので、私はそれで全く意に介しません。でも、本当にそんなんでいいんですか。
私は、実際家なので、財務省権力者を一掃する手段さえも考案しました。しかし、日本の官僚は優秀なので、明日に財務省籍が一掃されても、日本行政に些かの不備もないことを断言します。
ならば一掃やるべし。ー続くー
豆腐メンタル says:
10月 13, 2017
>一万円モノ買ったら、百円消費税取られる。百万円モノ買ったら、一万円消費税取られるのです。
ちくしょう…なんでDANIELさんが候補者じゃないんだ。
Daniel says:
10月 13, 2017
ふふ、豆腐メンタルさん、大きに、ありがとうございます。
だが私を候補者とやらに祭り上げれば、地獄の業火に焼かれることになります。減税を訴えると、本来それが民の願いなのに、灼熱の炎に晒され、社会的欠格者と認定され、一族郎党共々、末永く将来にわたって、まともな人生は送れなくなります。
この国に、大塩平八郎は最早いないのか。一揆を志せば、一族の不名誉として、一生指差されます。
そんな社会に誰がした。
私が候補者とやらになる日は、永遠にありません。しかし、それ以上の影響力を及ぼせる人物に、自分はなりたいと思います。
人をぶん投げ、関節を折り、息の根を止めることはたやすい。その場限りで屈服させるのは可能です。しかし、人の意思を、末永く続く意思を変えるのは、誠に難しいのです。
豆腐メンタル says:
10月 13, 2017
もー!遠回しに指摘したつもりなのに、DANIELさんのお返事に満足できない!
一万円の10%は千円なり。
小学生から出直してこんかい!(愛)
ところで税制といえば、藤井聡先生の『日本の防衛力を激しく弱体化させた、「世界最低の経済政策」』 https://38news.jp/economy/11141
上記コラムのグラフを見て、本当に力がなくなって独りで笑いました。
この事実を基にした政策議論はいつ始まるのでしょう。
過去20年間という区切りに疑問の余地があるとしても、時期的に消費税導入が国民の豊かさにとり世界最低の経済政策となったことが仮説どころではないインパクトで示されています。
愚学者につける薬は無いにせよ、マスコミさんは何を伝えるべきかも分からないのでしょう。この事実に報道価値がないのです。笑
現役世代と将来世代と私が不憫でなりません。
この先は私個人の陰謀論的推測ですが、経済政策への国民の批判の矛先は”革命”でしばらくやり過ごす予定ではないかと考えています。革命とは、北朝鮮の、または北朝鮮による炎上を指しますが。
Daniel says:
10月 13, 2017
ありゃりゃ、百万円の買い物は、十万円の消費税でしたか。そりゃそうだ。当り前だの何とやら。
私も焼きが回りましたね、10%も、消費税の影響を過小評価していたんですからね。もしや少しでも消費税を回避したい心の願望の表れか。
あーぁ、とんだ恥をかきました(笑)
へっへっへ、では自らの過ちを認めたついでに、いよいよ攻撃に渡りますか。
>この先は私個人の陰謀論的推測ですが、経済政策への国民の批判の
>矛先は”革命”でしばらくやり過ごす予定ではないかと考えています。
>革命とは、北朝鮮の、または北朝鮮による炎上を指しますが。
そんな訳が無かろうもん。何せ、佐藤先生によれば、日本の政治は、宇宙のジョーク、これがジョークでなくて、何がジョークだと。
日本は貴重な国だと思いますよ。経済論だけでない。政治論でも、有り得ない例を世界に提供し続けているんですからね。
私は洗礼を受けてクリスチャンになった時、ヨハネ黙示録を怖いと思いましたよ。でもね、今は、この時こそ、黙示録そのまま、否、それ以上じゃんよ、と。
ラッパは、誰がいつ吹き鳴らすんよ。ハルマゲドンは、いつですか。
SATOKENJI says:
10月 13, 2017
ラッパは、誰がいつ吹き鳴らすんよ。
わが国の場合、やはり大幸薬品ではないでしょうか。いつかは分かりませんが・・・
Daniel says:
10月 13, 2017
>ハッキリ言います。その内、10%ではとても足りない、15%必要論が出てきますよ。Danielの予言。これには絶対の自信があります。
ふふふ、これだけで済むと思う方がおかしい。財務省の願いはこうです。「世界最高税率の消費税を何としてでも絶対に実現させたい。」それが国際的に日本財務省の力を示すことに他ならないから。
そう、あらゆる学理を超えて、国民の困窮を超えて、日本経済の浮沈を超えて、世界最高税率の消費税を国民にかける、本気で、それ以外の目的は一切、一切ないのです。
はっはっは、誰か、この立論に挑戦、反論してみろよ。
…うぅ、佐藤先生、この絶望感、どうかお救い下さい。余りに情けなくて、自分で泣けてきました。
Daniel says:
10月 13, 2017
今、NHKが率先して、グロい画像を流し続けています。
即ち、エリート小学生を、知性ではなく、運動神経のエリート小学生を、称揚してやまない。これは、全国区ですよ。何かしら、文科省の指導に反すると思います。
オリンピックで勝てれば、教育の現場を歪めていいのか。恐らくそれは、五輪でも勝てないと思いますよ。
こういうものを、平気でNHKの電波で流す。他の頑張っている児童をさておいて、天配に嵌った女子小学生に媚びを堂々と売っている。日本のスポーツ界も、ここまで墜ちたかと思いましたよ。
今の小学生は、可哀相です。日本は、そもそも知性で保ってきたのに、その知性は一向に評価されず、こういうポッと出のスポーツ選手に、世論を支配されている。彼女がまるでいっぱしの人物であるかのように評価される。
お前がなんぼのもんじゃ?、はぁ?、と言いたい。
評価求む。私が独善を求めていると思われたくない。
レギーム作 says:
10月 13, 2017
>この迷走、この混乱! いまの日本とどれだけ違う?
違いがあるとすれば、「ゴルフコースの誓い」ぐらいですかねぇ。
SATOKENJI says:
10月 13, 2017
座布団一枚♬