一昨日の記事
「で、やっぱり墓穴リレー!」について
こんな質問をいただきました。
いわく。
私の友達にMという人がいるのですが
彼の前で安倍を批判すると必ず
『批判するなら代案出せ。安倍さん以外に誰がいるの?』
と言われてしまいます。
私には代案はありません。
しかし『代案は無い』と言って私が負ける形で終わるのも癪です。
こういう場合はどうすればよいのでしょうか。
イニシャルがMになっている点(※)から始まって
どこかで聞いたような話というか
なかなか良く出来た質問ですが
それはとりあえず脇に置きます。
(※)友だちを呼び捨てにするのは良くありませんね。
「さん」とか「君」とか、つけるようにしましょう。
いや、何と懐かしい。
私の周囲ではこのレトリック、
昨年夏を境に消滅したのですが
質問者・グーテンモルゲンさんの周囲ではまだ使われているようです。
では、回答こちら。
こう言えば良いのです。
「他に誰もいなければ、安倍総理を支持する理由はない」
理由は以下の通り。
1)安倍総理が支持されるに値するのは、
「戦後レジームからの脱却」や「日本再生」といった
壮大な目標を追求する姿勢を持っているからである。
場当たり的な政策しかできないのであれば、
とくに支持する理由はない。
2)しかるに日本の現状は、
今年で70年となる「敗戦後」、
あるいは63年となる「戦後」の抱える問題が
積もり積もった結果としてのものである。
(注:厳密な意味での戦後は、1952年の独立回復からです)
3)60年〜70年ぶんのツケの蓄積を解消するなど、
おいそれとできるはずがない。
「戦後レジームからの脱却」や「日本再生」には
少なくとも20年〜30年ぐらいはかかると見るべきである。
4)しかるにこれだけの期間、安倍氏が総理を務められるはずはない。
よって。
5)安倍総理の壮大な目標(=彼を支持するに足る理由)は
総理が交代しても受け継がれる、
つまり〈代わりが誰かいる〉ことを
前提にしなければ達成されない。
6)もし本当に代わりがいないのであれば
くだんの目標はかけ声倒れに終わること確実であり、
支持する理由もなくなる。
7)逆に、20年〜30年ぐらいはかかって当たり前の目標を
5年や10年で達成しようとするのは
メチャクチャな急進主義(=左翼思想)である。
そのようなやり方を取ったら最後、
メリットよりもデメリットのほうが多く、
自滅的な結果に終わるのは
フランス革命いらいの幾多の事例が示す通り。
これは積極的に支持しない理由に該当しよう。
すなわち!
安倍総理を積極的に支持する人々こそ
安倍氏の壮大な目標は総理交代によっても失われるものではないこと、
つまり
〈他にも必ず誰かいる〉ことを積極的に主張しなければならないのだ。
具体的な名前まで挙げられればさらに良い。
阪急東宝グループを創立した大実業家・小林一三さんは
事業が栄える秘訣について
「良き後継者を次々育てること」と明言されました。
まして総理が取り組んでいる(はずの)目標は
国家全体の栄枯盛衰に関わるもの。
後継者、つまり代わりがいなかったら成功するわけがない。
参考文献こちら!
「僕たちは戦後史を知らない 日本の『敗戦』は4回繰り返された」
そしておなじみ、
グーテンモルゲンさんは
この2冊をまずご自分で読まれたうえ、
友だちのMさんにも勧めると良いでしょう。
完全に納得すると思いますよ。
ではでは♬(^_^)♬
9 comments
akkatomo says:
6月 23, 2015
そして本当に誰もいないのであれば、後継者を国民自ら育てよう、そういう気概なくして
達成不可能な目標でございます
カインズ says:
6月 23, 2015
自民党は好いフグ調理師を見つけられたでしょうか、それとも「フグ調理師など現場を知らない、漁師を呼ぶべきだ」、「いや、時代は海女を求めている」とでもいった応酬を繰り広げているのでしょうか。
とまぁ、冗談はさておき、現政権を支持している方の熱心さを見ていると
①現政権は、奇跡的に誕生した愛国政権である。
②誕生したのが奇跡なのだから、これ以上の政権は望めない
③だから、この奇跡の政権が続いている内に多くの改革をする必要がある
④改革に問題点があっても、他の政権がやるよりマシだからお目こぼし
という姿勢が見られる気がします。正直、現政権ずいぶんボロが出てきているような気がするのですけど……
個人的に「安倍さん以外に誰がいるの?」と尋ねられた時の答えとしては、脇 雅史氏か西田 昌司氏と答えたいですね。
akkatomo says:
6月 23, 2015
安倍総理以上の総理大臣を育てようという意志がない時点でお里が知れると言うものです。
つまり、自分を磨く気も人を育てる気もなく、都合のいい救世主を求めているだけなのですな。
往々にして、そういう気持ちは裏切られるものです。
飛魚 says:
6月 23, 2015
映画で例えると、一作目が一番良くて、二作目、三作目はいらない!といったファン心理のようなものでしょうか?ファンであるが故、批判されると頭に来たりします。
現在二作目が始まっておりますが、混沌としつつも、前作の世界観も保たれており申し分ないのに批判なんて許せないといった感じをうけます。
僕としてはこの現実のプレデターは三作目は無いほうが有りがたいです。次回作は、南国の花畑で愛を叫ぶとか、核の傘を借りて愛を叫ぶとか。。。
私はそれらを子羊のように大人しく見ていたいですが。現実にはそうはいきたくありません。意味不明の感想で申し訳ないです。
マゼラン星人二代目 says:
6月 23, 2015
>イニシャルがMになっている点(※)から始まって
マルクス、マッカーサー、丸山眞男。。。
候補が多すぎて、検討がつきません。
SATOKENJI says:
6月 23, 2015
何をおっしゃる。
マドンナに決まっているじゃないですか。
盗人蜘蛛 says:
6月 23, 2015
『貞観政要』には「適任者がいない場合、空席のままの方が害が少ない」とあります。
私は安倍さんを含め、今の日本には日本国民の豊かさや安全を考える政治家が存在しない(口だけで行動が伴わない)、そして適任者が政治家になるのは極めて困難であると考えています。
よって既存の政治家は全員不要である。次点で、ねじれ国会で何も決められない政治で良い、と自分なら答えます。
お前は無政府主義者か革命家なのか?と言われるでしょうけど…
やまねろん says:
6月 24, 2015
>「適任者がいない場合、空席のままの方が害が少ない」
身に染みる知恵ですね。過去に戻れはしませんが、第二次アベ内閣発足の頃でしたらその選択肢が良さそうです。
しかし、新自由主義的な「1%のための政治」をより推進してしまった現在では、強化循環の歯車がパワーアップしています。
したがって、現時点から何も決められない政治になったとしても、富める者はますます富み、貧しきは一層貧しくなる速度は上がりこそすれ、下がることはないと思います。
悪いことに、今後もアベ総理の新自由主義ドリルが止まる気配はありませんよね。
また、苦しい状況下では、人は膠着状態でいることにそう長くは耐えられないと思います。
その場合、停滞した政治を変えることが目的となって、マズイ選択肢を嬉々として選ぶ可能性が高くなるのでは……。
批判的な内容ですみませんが、私も「既存の政治家は全員不要である」に賛同したい気分ではあります。しかしながら、こういった真面目な話で気分を優先させると、碌なことにならないと思いましたので、「現時点で政治が停止したら」という視座でコメント致しました。
jirou says:
6月 24, 2015
私も現時点での総理大臣は、「何も決めれない方」が良いと考えてしまいます。国民の命運を握る政策を支離滅裂な説明で無理矢理に進めてしまう現状においては。安倍政権に一言言いたいのは、Don´t wake
me up without a master plan.といった所でしょうか